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町民に「きさま、殺すぞ」特殊警棒で威嚇し書類送検…福岡県大任町で120人が町長リコールデモ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.05.04 18:09 最終更新日:2022.05.05 16:14
「独裁を許すな!」
「ストップ・ザ・永原町政!」
ゴールデンウィークまっただ中の5月4日、福岡県のとある町で、町長の辞職を求める声が鳴り響いた。なかには「特殊警棒のない町へ」というプラカードを掲げる人もいた。
福岡県田川郡大任町で、120名ほどが永原譲二町長(68)の辞職を求め、3キロに渡ってデモ行進した。このデモの企画者の一人である、次谷隆澄・大任町副議長がこう話す。
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「永原町長は、2月に書類送検されて以降もまったく話し合いに応じず、町民にも説明していません。やっと3月に議会で6年半ぶりに一般質問できたのですが、私が町長の言動について質問しようとしたとたんに打ち切られ、議長に閉会宣言をされてしまいました」
2022年2月3日、永原町長は「暴力行為等処罰法」違反の疑いで書類送検されている。
「2021年10月8日、町長を批判するビラを配っていた市民団体のメンバーのところに、永原町長ら10数名が駆けつけたんです。永原町長は所持していた特殊警棒をいきなり伸ばし、『お前ら、俺をなめとんのか』と威嚇しながら襲いかかってきた。
ほかの市民団体のメンバーらが駆けつけ、もみくちゃになった後には、『きさま、殺すぞ』と暴言も吐いています。警察も10数名が来て、大騒動になりました」
永原町政は、5期17年にわたる長期政権。永原氏は、福岡県町村会の会長で、全国町村会の副会長も務めている。
「議長の指名を含め、なにもかも町長が決めています。今日のデモも、町役場の駐車場の使用許可申請を出したのですが、貸してくれないうえ、休日なのに職員が30人も出てきて、デモ行進をビデオに撮影するなど妨害してくるのです。税金を使って、なにやってんだと思いますよ。
実際、私も命の危険を感じています。危ないことを言われたり脅されたりもしますが、こんなことでめげてもいられない。自分の身を削ってでも、永原町長の悪事がわかっていけばいい、と覚悟を決めています」
大任町では、過去に凄惨な事件が起きている。1986年には、町長が執務中、乱入してきた暴漢に射殺された。2002年には町議会の議長が突然銃撃され負傷した。ただし、この町議長は護身用の拳銃を所持していた疑いが強まり、辞職して失踪。指名手配中に出頭し、銃刀法違反で逮捕されている。
「大任町の人口は約5200人で有権者数は4300人ほど。リコールのためには、1500人ほどの署名を集める必要があります。今日のデモ行進が、リコールに向けた事前運動の第1回め。これを2回、3回と繰り返して、町民の方にアピールし、年内に必要な署名を集めたいと思っています」
町政刷新への道は、まだ始まったばかりだ。
( SmartFLASH )