社会・政治
「錯視」を利用して「痩せて見える」秘密がわかった
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.04.03 06:00 最終更新日:2017.04.03 09:46
錯視画像を見ることで、無意識からの“視点の切り替え”や、リラックスすることができる。さらに今後は、錯視がビジネスの現場や、さまざまなシーンで活路を開いていくかもしれない。
ファッションや化粧における錯視効果の研究をしている森川和則・大阪大学教授はこう語る。
「スタイリストやヘアメイクなどの専門家は、どんな服を着ると瘦せて見えるのか、どんなメイクで目が大きく見えるのかを経験則として知っています。その経験則の多くは、錯視のメカ
ニズムで説明でき、効果も数値測定により実証できているのです」
目の周りにアイラインを引くと目が大きく見えたり、眉をつり気味に描くと顔がシャープに見えるが、これらは錯視効果によるものなのだ。
上の写真は、重ね着をして、縦にラインを作ることで、瘦せて見える方法だ。右は、白いシャツの上にベストを着ただけだが、確かに瘦せて見える。ベストの着丈が長く、黒めなのがキモだ。
男性の場合でも、カーディガンやロングコートなど縦ラインをつくるアイテムを活用すれば、スリムに、背を高く見せることができる。
また、脳神経科学が専門の篠原菊紀・諏訪東京理科大学教授は、脳に起こる錯視的な現象がビジネスで応用されている例を挙げてくれた。
「『商品は左側の棚に陳列したほうが売れる』という販売のセオリーがあります。これは、左半分を重視、右側を軽視しがちな人間の視覚システムの特徴にかなったものです。ひげ剃りや髪の毛のセットも、相手にとっての左側、つまり顔の右側に気を配ったほうが、好感度が高くなるはずです」
奥深い錯視の世界。無意識を味方につければ百人力だ。
(週刊FLASH 2017年2月14日号)