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完全密着1週間「籠池泰典」が語った「安倍を討った理由」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.04.05 16:00 最終更新日:2017.04.05 16:00

■断酒の誓いを破り「梅酒ソーダ割り」

 

完全密着1週間「籠池泰典」が語った「安倍を討った理由」

 

 数日後、理事長夫人が証人喚問用の資料収集のため大阪に戻った。以降、日中のほとんどの時間を籠池理事長とともに過ごすこととなった。

 

 報道陣の前では胸を張り仰々しく語っていた理事長だが、ふだんはとても穏やかなことに驚いた。あまり強い大阪弁は使わない。むしろ上品なのだ。育ちがいいのではと思い尋ねてみた。

 

「香川県のご実家はどんなお仕事をなさっていたんですか?」

 

「籠池海運っていう会社をやってて昔はけっこう羽振りがよかったんだ。道を歩いていると、籠池の坊ちゃんと呼ばれたよ。でも僕が小学校5年生のときに潰れてしまってね」

 

 その後、夜逃げ同然で兵庫県尼崎市に移住。金銭的にかなり苦しい生活が続いたという。

 

 物静かな人なのだが、こと政治の話になると熱を帯びる。中国中央テレビが「日本食品の放射能汚染」について報道したというニュースに出くわすと、「いいんですか? こんなことを放置して。抗議しなきゃダメでしょう」と真顔で詰め寄ってくる。

 

 ある日は、夜も同じ部屋で過ごすことになった。就寝前、おもむろに冷蔵庫から梅酒のソーダ割りの缶を取り出す。確か、酒は飲まないはずだが……。

 

「小学校開校までは酒を断つつもりだったんだ。もう断酒して3年。でもダメになっちゃったから。僕にとっては命がけだった。うん、小学校の認可取り下げは残念だね」

 

 笑いながらそう言うが、さすがに哀愁が漂う。日本中から追われるようになって約2カ月。疲れ切った様子で時折、昼間にうたた寝する姿も見られたのだった。

 

 一方、嘘の証言をすると偽証罪で逮捕の可能性がある「証人喚問」だが、理事長に臆するさまは感じられない。

 

「テレビ中継はあるのかな? 中継しないとダメだよ。国民的な関心事なんだから。僕は参考人招致のつもりだったんだけどね。いつの間にか証人喚問になってたんだ。ハッハッハ」

 

 もしかして、この人、証人喚問を楽しみにしてるんじゃないのか。ふと、そんな気さえしてきた。とにかく食欲が旺盛だ。ルームサービスのカツ丼やお寿司などをペロリと平らげる。

 

 だが、周囲は違う。証人喚問前日には、弁護団や家族の緊張はピークに。なにしろ理事長の「クビ」がかかっているのだ。さすがの理事長もリハーサルに余念がない。ふだんは食事に頓着しない理事長から、「おにぎりを買ってきてほしい」と頼まれた。「日本男児たるもの、戦の前は握り飯でなくてはならない」という。

 

 そして、ついに運命の日がやってきた。出発前にいま一度、証人喚問での冒頭陳述を読み上げる。9時になるとホテルのスタッフが迎えに来た。外出時はVIP用出入口から誰にも見つからずに出発することになっている。

 

――今のお気持ちは?
「うん、清新溌剌(せいしんはつらつ)」

 

 満面に笑みを浮かべ、そう答える。ホテルの部屋を出る際に、手をものすごく強い力で握り締められた。

 

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