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小池都知事の “見せしめ命令” は違法…参院選前「風を読む女」にまさかの逆風続き
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.05.17 20:00 最終更新日:2022.05.17 20:11
飲食チェーン・グローバルダイニングの社長が「営業時間の短縮命令」は、憲法が保障する営業の自由を侵害したとして、東京都を訴えた裁判について、5月16日、東京地裁は原告の請求を棄却した。
2021年3月当時、小池百合子都知事(69)は「度重なる要請に応じず、営業を続ける店舗には、命令などの実施に向けて必要な手続きを進めていく」と話し、より強い「命令」を発出することを明言。実際に、営業を続ける店舗に命令を出していた。
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しかし、今回の判決で、東京都が出した命令は発出要件を満たしていなかったとして、地裁は「特に必要と認められず違法」との判断を下した(賠償責任は認めず)。
グローバルダイニング社は、東京都が命令を下した27店舗のうち26店が同社の飲食店だったことから、「見せしめ」「狙い撃ちにされた」と主張していた。
「今回の判決について、中東訪問中の小池都知事は『必要かつ適正なものであった』とコメントを出し、自身の正当性を主張しました。
地裁の判断によって罰則を受けることはありませんが、あれだけ強く自粛を命令していたことが “違法” と判断されたことについて、小池都知事の責任を問う声は多いです」(政治部記者)
新型コロナ禍で存在感を増していた小池都知事だが、ここにきて批判が高まる出来事が増えている。
「2022年3月には、小池都知事が推進する明治神宮外苑の再開発計画について、『歴史ある貴重な樹木1000本を伐採するのか!』と反対意見が噴出。ネット上で集まった約5万人の署名が提出されました。
5月11日には、東京都の有識者検討会で、一戸建て住宅を含む新築建物に太陽光発電パネルの設置を義務づけるよう提言する答申案がまとめられ、都内の住宅価格が上昇すると指摘されているのです」(都政担当記者)
自身が深く関わる政策が立て続けに批判を浴びている小池都知事。
7月におこなわれる参議院選挙では、小池都知事が特別顧問の『都民ファーストの会』の国政団体『ファーストの会』がお目見えするが、その前に強い “逆風” が吹いている。
「2021年の都議選では、ワクチン接種に手間取っている政権与党の自民党を批判し、世論の “追い風” を得るなど、小池都知事の立ち回りはさすがのものでした。
しかし、今度の参院選では埋没している印象です。東京では候補者を立てて当選も視野に入れていますが、全国的には『ファーストの会』自体が忘れられているようなもの。
ファーストは国民民主党との連携を表明していますが、ほかの野党を巻き込んで “旋風” を起こすことも考えにくい状況です。小池都知事には厳しい選挙戦になっています」(前出・政治部記者)
7月に小池都知事は70歳を迎え、政治家人生も30年めに突入する。さまざまな風を読んできた女に、もう “ひと風” 吹くのか――。
( SmartFLASH )