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岸田首相が自民党全派閥のパーティに「異例の出席」…“太鼓持ち発言”を総まとめ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.05.19 17:10 最終更新日:2022.05.19 17:16
5月18日、自民党の宏池会(岸田派)が政治資金パーティを開催。これで、自民党内の全6派閥が、参院選を前にパーティを終えた。岸田文雄首相は、6派閥すべてのパーティに顔を出す“全方位外交”を繰り広げた。
「全派閥のパーティに出席するのは珍しいことです。安倍晋三首相の時代は、安倍氏に対抗する石破派のパーティに、安倍氏が欠席することもありました。菅義偉首相の時代は、新型コロナウイルスの影響で、派閥のパーティ自体が開催されませんでした。また、国会が行き詰まっているときは、なかなか派閥のパーティには出席できないもの。全派閥のパーティに出席できるのは、国会も紛糾せず、首相に余裕があるからでしょう」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
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そんな余裕の表われか、岸田首相は、パーティで各派閥の領袖を持ち上げる“太鼓持ち発言”を繰り返した。以下、6派閥のパーティでの発言を列挙してみる。
4月14日 志公会(麻生派、所属者数49人・以下同)
「麻生氏は、人を引きつける魅力をお持ちだ。われわれ宏池会からも麻生氏の魅力に吸い寄せられて(麻生派に入会して)しまった」
4月15日 近未来政治研究会(森山派、7人)
「歴代最高の国対委員長。『信なくば立たず』を体現する政治家。与野党議員から高い信頼を得て、政権を支えてきた」
4月26日 茂木派 平成研究会(茂木派、54人)
「永田町でもっとも仕事のできる男。最も話を聞く男(首相)との補完関係で新しい時代に向けて政治の責任を果たしたい」
5月16日 志帥会(二階派、42人)
「今も、官邸に要請や相談に来られる方よりも、党本部6階の国土強靭化本部長室、二階本部長の部屋の前に行列をされ、そして要請や相談に来られる方のほうが圧倒的に多いゆえんではないか」
5月17日 清和政策研究会(安倍派、94人)
「我が党の最大、最強の政策集団であり、自民党の屋台骨であると確信している」
5月18日 宏池会(岸田派、45人)
「30年ぶりの総裁派閥として、今日の会を迎えることが出来たこと、多くのみなさま方に心から感謝を申し上げる」
二階派での発言では、うっかりした言い間違えも。二階氏の国土強靭化本部長室は自民党本部の5階にある。それを「6階」と言い間違えたのだ。とはいえ、各派閥会長を持ち上げる余裕は、内閣支持率が安定していることの裏返しともいえる。
再び、角谷氏が語る。
「下手(したて)に出る発言をしても気にならない人なんでしょう。安倍元首相は『俺が、俺が』というタイプだったため対比されますが、基本的に岸田首相は、『マウンティング』を取らない人。自分がいちばん上だ、という気持ちを持たない人ですから。それに参院選が控えているため、各派閥に協力してもらわなくてはいけない、という面もあるのでしょう」
「下手に出る」ことこそ、岸田首相のなせる技か。とはいえ一国のトップには少々、頼りない気もするが……。
( SmartFLASH )