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フジは売上180億円!民放夏のイベント“ボロ儲け”のカラクリ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2014.07.31 18:00 最終更新日:2016.02.26 03:51
「過去10年間で、テレビ番組の広告収入は3分の2以下に落ち込んでいます。そのため、各局とも放送外収入を重視している。いわば、副業が売り上げの大きなシェアを占めています。子供の夏休みに合わせたイベントは、グッズ販売などの売り上げを頼りにした貴重な収入源なのです」(元文化放送、コラムニスト・橋本テツヤ氏)
今年もテレビ局の夏のイベントが始まった。フジテレビは「お台場新大陸」、日本テレビは「汐博」、TBSは「夏サカス」として例年どおり開催。テレビ朝日も「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭りSUMMER STATION」を初挙行。そもそも、テレビ局はいつから夏のイベントに乗り出すようになったのか。
メディアに精通する立教大学社会学部の砂川浩慶准教授は言う。
「’87年、フジテレビが系列局の関西テレビとともに、東京・晴海と大阪・南港で『コミュニケーションカーニバル夢工場’87』開催し、大成功を収めました。フジは本社移転後も、お台場でのイベントを恒例化。倣うように、他局も手がけるようになりました」
この夏、「お台場新大陸2014」と名称を刷新したフジは、’13年のイベント事業収入で前年比77.7%増(178億4200万円)を記録。本業の番組制作では視聴率不振にあえいでいるのに、どうして圧倒的な売上高を記録しているのか。
じつは夏のイベントでは基本的にフジだけが入場料を徴収している(他局は一部有料方式)。河田町からお台場に移転した’97年からの6年間は無料だったが、’03年から有料化(1000円)。その後徐々に値上げして、昨年からは1700円に。発表された入場者数420万人(’13年)を掛けると、71億4000万円にも上る。また、広大な立地が意外な副産物を生んだ。
「コンビニに辿り着くまで、かなり時間がかかる。そのため、少し高くても近くの露店で飲み物を買う。この売り上げもバカにならない」(フジ関係者)
前出の橋本氏も言うように、グッズ販売や企業展示ブースの出店なども貴重な収入源。そのシステムを構築したのはフジテレビだという。元日本テレビアナウンサーで、汐留移転の’03年から約3年間にわたり、イベント事務局で総合プロデューサーを務めた小倉淳氏は次のように話す。
「たとえば、『めちゃイケ!』のグッズを作るとき、ボールペン、定規、うちわがあるとしましょう。商品ごとに各業者にまかせます。(フジは)そのなかから売り上げの10%だけを取るライセンス販売に絞ったのです。そのぶん事前の投資もいらないし、在庫も持たなくてすむようになりました。なかには、売れないグッズもありますからね。タレントが関わっているものであれば、10%のうち3%は事務所に還元するなどの契約を結んでいるはずです。今では、フジの方式を各局がマネし始めています」
(週刊FLASH 2014年8月12日号)