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「不正受給10億円」一家が逮捕! で浮上した多数の「だからマイナンバーでデータ管理を」の声

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.05.31 19:12 最終更新日:2022.05.31 20:53

「不正受給10億円」一家が逮捕! で浮上した多数の「だからマイナンバーでデータ管理を」の声

谷口光弘容疑者は三重県在住の家族3人を残し、国外に逃亡したと見られる。警視庁は光弘容疑者を全国指名手配した(写真・時事通信)

 

 5月30日、一家4人で新型コロナ対策の持続化給付金不正に受給したとして、45歳の母親と20代の息子2人が警視庁に逮捕された。主犯格とみられる父親の谷口弘光容疑者(47)は指名手配されたが、海外に逃亡したとみられている。

 

 不正受給額は10億円近くにもになるというから、驚きだ。

 

 

 家族が中心となり、十数人規模のグループで約1800件の虚偽の申請を繰り返し、そのうち約9億6000万円を不正受給していたという。

 

「持続化給付金」は、不正受給が相次いでいる。中小企業庁は、持続化給付金を不正に受給した個人や法人を認定、氏名などを公表している。5月26日時点で、不正受給者は1218、不正受給総額は12億円以上となっている。なおこの中には、先の家族グループは含まれていない。

 

「これほどまで不正受給が相次いだ理由として挙げられているのが、『手続きの簡易さ』です。2020年の時点では、急激なパンデミックという状況下、困っている事業者になるべく早く給付金を届けるべきだという世論が強く、そのためインターネット上での簡単な手続きで済むようなシステムになったわけです。今となっては“ザル”と言われても仕方ないですが、当時の状況を考えれば、やむを得ない面はあったといえるでしょう」(全国紙記者)

 

 経済産業省もこの事態を重視。ホームページで「現在、持続化給付金、家賃支援給付金、一時支援金及び月次支援金の不正受給案件等の調査を行っております。不正受給は絶対に許しません」との強いメッセージを打ち出している。

 

 その効果もあったのか、持続化給付金の返還申し出は約2万2000件、166億円以上が返還されている。家賃支援給付金についても同様で、返還申出が1123件、約8億6900万円が返還された(ともに5月26日時点)。

 

 不正受給がクローズアップされたことで、注目を集めているのが「マイナンバー」だ。これを利用していれば、不正受給は起きなかったのではないかという声が、SNS上で多数並んでいる。

 

《こういう時のマイナンバーだよなとは思う。不正受給防ぐの。》

 

《10億円の不正受給って何?これも見破れないってどうなの?こういうのがあるとやっぱりマイナンバー必要なのかなと。》

 

《やっぱマイナンバーを基にやらないと、こういうことは防げンな 取得しない人はこういう事業から省かれるようにしよ》

 

《こうなるとマイナンバーで紐付けが絶対必要だと思ふ。納税も健康保険使用も、給付金申請も全て丸見えにした方がいい。》

 

 5月31日朝に放送されたワイドショー『めざまし8』(フジテレビ系)に出演した、国際政治学者の三浦瑠麗氏は、一家10億円不正受給の事件について、以下のようにコメントしている。

 

「(原因は)持続給付金の手続きのしやすさにあるのではなく、所得から何からをしっかり電子的に把握して、マイナンバーに紐づけてという、日本の管理体制のなさにある。データ管理をしっかりやっていただきたい」

 

「皆さん、民間の業者に自分のデータ管理をものすごくやらせてしまっている。クレジットカード会社、取引銀行、ローンがあれば何に使ったかも把握されている。ところが、マイナンバーカードに銀行口座をひとつでいいから紐づけてください、幽霊口座でもなんでもいいからと(いう意見について)、世論調査をやると反対が優位なんですね。これだけ民間にデータを抜き取られていて、監視されていて、なぜここまで警戒するのか」

 

 2020年、国民1人に対し10万円の特別定額給付金があったときも、「マイナンバーが使えればもっと早く給付ができた」という意見が多くあった。国はマイナンバー制度を推進しているものの、情報漏洩に対する根強い不信感や手続きの複雑さもあり、遅々として進まない状況だ。マイナンバーカードの普及率は2022年4月1日時点で43.3%と、全人口の5割にも満たない。

 

 マイナンバーのメリットを、もっと国はアピールしてもよいのではないか。

 

( SmartFLASH )

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