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岸田首相の「物価対策に間違いなく効果」発言に総ツッコミ「自分達の手柄ではない」「企業の努力のおかげ」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.02 15:30 最終更新日:2022.06.02 15:34
6月1日、衆議院予算委員会でおこなわれた集中審議。立憲民主党の泉健太代表は、食材費などの高騰を指摘し、「異次元の物価高騰で『岸田インフレ』とも呼ばれている。まったく対策が取れていない」と追及した。
対する岸田文雄首相(64)は、政府の物価高対策について、原材料コストの抑制などに努めていると説明。
「欧米諸国は物価高騰が7~8%の中、日本は2%台を維持している。わが国(の対策)は間違いなく価格に効果が出ている」と強調した。
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この岸田首相の答弁に、経済評論家は「そもそも物価上昇率だけで、欧米と日本を比べるのがナンセンスです」と指摘する。
「日本の4月の企業物価指数は、10.0%上昇しています。企業物価指数というのは仕入れコスト。原材料価格、物流費などですね。対して同じく4月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数で2.1%しか上昇していない。この差を、企業が社内の合理化などの企業努力でかぶっている。だから給料を上げる余地がないのです。
米国のように、企業物価指数と消費者物価指数がほぼイコールになれば、商品価格に転嫁できます。インフレ率が高くても、ある意味、健全なわけです。ところが日本では、派遣社員、パート、アルバイトでしのいで正社員を必要としません。所得が増えないから、結婚できず、少子化が進んでいくわけです。
いま値上げが相次いでいるのは、企業努力が限界を超えてきたから。物価上昇が続き、それでも所得が増えない状況が続けば、悪いインフレに陥りかねません」
SNS上でも、岸田首相の物価対策について批判する声が多く見られた。
《2%を維持しているのは各企業の経営努力の結果だと思う 自分達の手柄ではないと思う勘違いしないで欲しい》
《日本の市場は厳しく、物価高騰への消費者の嫌悪感は他国とは比べられない程大きい。それに対する企業も価格は最大限の努力で維持しようとの動きが強く、2%はその努力の成果なのだ》
《各企業の相当な努力の結果だと思います。元々、先進国の中でも物価が安い日本でクオリティーを下げず、値段の変化に敏感な日本人の目に負けない様に限界に挑み続けています》
岸田首相がまずやるべきは、物価対策への政府の取り組みを誇ることではない。国民の所得増を実現させることなのだ。
( SmartFLASH )