電気自動車大手・テスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏が、社員に送ったメールが論議を呼んでいる。
「テスラの社員は全員、週に最低40時間はオフィスで働くことが義務づけられる」
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「リモートの疑似オフォスではなく、実際の同僚がいる場所でなければいけない。出社しなければ、退職したものとみなす。職位が上であるほど、その存在は目に見えるものでなければならない」
このメールは、5月31日にマスク氏がテスラ社の幹部にあてて送ったものだとして、Twitterに投稿された。マスク氏自身はこのメールについてコメントしていないものの、6月1日になって「オフィスへの出勤を時代遅れだと考えている人をどう思うか」というTwitterユーザーに対し、「どこか違う場所で働くふりをするべきだ」と返答している。
これに対して、日本のSNS上でもさまざまな意見が飛び交っている。
《賛成。言い方は悪いけど、リモートって大半の人がサボってる》
《いらんことしてくれるなあ これを事例に上げてリモート廃止する会社増えるやろ》
《在宅ワーク三年目になりますが、仕事の生産性だけ考えたらマスク氏の考え方は合っていると思いますので、賛否両論あって良いと思います》
《最低40時間は強烈なのでさすがに同意しませんが、コミュ力低い人がフルリモートで成立する仕事はありえません》
「マスク氏のこの言葉は、驚くことではありません」と話すのは、ある経済ジャーナリストだ。
「コロナ禍でリモートワークが増え、その影響で生産性が落ちてきている、仕事の効率に悪影響が出ていると判断したのでしょう。
マスク氏のメールは、過去にいくつも流出していますが、中には、社内コミュニケーションのあり方を論じたものがありました。『社内でコミュニケーションを阻害するような対立した人間関係を生みだし、閉鎖的な組織を作り出すことを防止するため、マネージャーが尽力するべきだ』といった内容で、マスク氏が社内コミュニケーションを重視していることがわかります」
テスラ以外にも、航空宇宙メーカーの『SpaceX』社を起業し、そのほかいくつもの事業を手がけるマスク氏。最近ではTwitterを買収する動きが話題になっている。
「多くの事業を同時にこなすため、彼自身が効率的に仕事をしなければいけません。週に100時間働き、スケジュールどおりに仕事を進めるため、電話には出ない。食事には時間をかけず、ランチはミーティングを兼ねて5分で済ませる。もちろん、ディナーもビジネスの場です。
睡眠時間は6時間と一般的ですが、いつも会社のどこかや工場で寝ていると、社員が証言しています。彼自身がハードワーカーであり、社員にも多くのことを要求する経営者であることは以前から有名です」(同前)
がむしゃら、モーレツ……意外と昔の日本のような気質を持った、米国のカリスマ実業家。彼の言葉は、「アフター・コロナ」の時代にどう響くのだろうか。
( SmartFLASH )