2022年1月に大幅な値上げを発表して賛否両論を巻き起こしたスポーツライブ配信サービス「DAZN」が、また新たな火種を抱えている。
1月25日、DAZNは会員に対して、2月22日以降の月額サービス料金を、1925円から3000円に価格改定すると発表。すると、1000円以上の値上げに対し、ユーザーから不満の声が上がったのだ。
英国に本社を置くDAZNは、2016年に日本に “上陸” すると、Jリーグの放映権を10年総額2000億円以上の大型契約で取得。
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さらに、2022年サッカーワールドカップ・カタール大会のアジア最終予選の放映権も獲得。日本代表が出場を決めたオーストラリア戦は、地上波放送を差し置いて独占中継されたことも記憶に新しい。
そのほか、海外サッカー、プロ野球、F1などの中継もおこなっている。
「DAZNに対して、いまユーザーから不満が上がっているのは、“広告導入” についてです。前々から、生中継の際は、試合開始前などにDAZN内の別の中継の案内や30秒ほどの企業広告が流れていました。
しかし、それに加えて5月末ごろから、試合終了後に公開される『見逃し配信』や『ハイライト動画』にスキップできない15秒~30秒の広告が表示されるようになったんです」(ITジャーナリスト)
広告表示はYouTubeなどでもおこなわれている。だが、それは “無料視聴” に限るものが多い。実際にYouTubeは有料版の「YouTube Premium」に加入すると広告なしで視聴できることを売りにしている。
そのため、有料視聴のDAZNで広告表示されることに、インターネット上で多くの批判の声が上がったのだ。
《DAZN値上げしておいて無料仕様のYouTubeみたいな広告出るようになった?》
《ねぇDAZN?????? 有料コンテンツだよね??? 値上げしたよね???? なんで広告入れるの??????》
《月3000円も払ってんのに広告見せられるのホンマに意味わからん》
前出のITジャーナリストは、DAZNの抱える不安はまだあるという。
「2021-2022シーズンまで中継していた英国・プレミアリーグ(PL)の放映権取得に難航しているのです。PLについては、4月に同業他社の『SPOTV NOW』が来季以降の日本での放映権取得を発表しました。DAZNはその発表を受けても、放映権取得をあきらめずに『関係者との協議を継続していく』とコメントを出していました。
しかし、6月1日に突如、DAZN内のPLのハイライト動画などが一挙に削除されたのです。PLの放映権取得はかなり難しいと見てもいいでしょう」
DAZNが2016年にJリーグの放映権を取得した際は「高額すぎる」と批判の声もあった。自らが引き上げた “放映権料戦争” によって、首を絞められているような状況でなければいいのだが……。
( SmartFLASH )