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総工費10兆円「日韓海底トンネル」がSNSで話題に…韓国政権交代で実現の可能性高まる
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.14 11:00 最終更新日:2022.06.14 11:00
日韓トンネルに再び注目が集まっている。きっかけは西日本新聞がネットに掲載した「韓国政権交代で、日韓トンネル実現期待」という記事だ。
6月11日、九州と韓国を結ぶ海底トンネルの建設を目指す「日韓トンネル実現九州連絡協議会」の総会が開かれ、記念講演した研究員が「日韓トンネルは日本をユーラシア大陸と地続きにする効果を生む」と意義を強調した、との内容だ。
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「九州と朝鮮半島を結ぶ『日韓海底トンネル』の話題は、以前から出ては消えてを繰り返してきましたが、2021年4月、韓国・釜山市長選を機に再び注目が集まりました。保守系で当時野党だった「国民の力」の金鍾仁氏が、日韓海底トンネルの建設を打ち出したのです。
経済効果は54兆ウォン(5.4兆円)で、45万人の雇用を生むとの期待がありました。文在寅政権は否定的でしたが、政権交代して『国民の力』の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が就任したことで、日韓トンネルに再び期待する声が高まっているのです」(経済記者)
総工費は約100兆ウォン(10兆円)で、日本側が70兆~80兆ウォン(7兆~8兆円)、韓国側が20兆~30兆ウォン(2兆~3兆円)を負担するという案だ。
だが、2021年も今回も、「日韓トンネル」が報道されると、ネット上では否定的な声が相次いだ。
《日本にとって、「百害あって一利なし」》
《現実的に考えて、日韓トンネルって建設されないと思うんだよね。一番の理由は、工事費数兆円をペイ出来ない。格安航空で1万以下で行けるのに、万単位の通行料を払ってまで利用しない》
やはり、日韓トンネルは絵に描いた餅なのか。しかし、朝鮮半島情勢に詳しい「コリア・レポート」編集長の辺真一氏は、「日韓トンネルは戦前日本の夢だったのです」と意外なことを言う。
現在の日韓トンネルは、佐賀県唐津市~壱岐~対馬~釜山で複数のルートが想定されており、海底トンネルで鉄道と道路の両方を通すプロジェクトだ。
だが、日本では、1939年(昭和14年)、JRの前身の国鉄が「弾丸列車」として、下関と釜山をトンネルでつなぎ、中国の北京まで高速列車を走らせる計画を立てている。
「韓国側で、日韓海底トンネルに最初に言及したのは盧泰愚大統領です。1990年の訪日時に国会演説で言及し、海部俊樹首相に共同建設を持ちかけています。
金大中大統領も2000年に『日韓トンネルが建設されれば、北海道からヨーロッパまで結ばれるので、未来の夢として考えてみる価値はある』と発言しています。
日本側も竹下登元首相から森喜朗元首相までは、真剣に検討していたんです。森元首相は、2000年10月のASEM会議で、日本と韓国をつなぐトンネルを作り『ASEM鉄道』と名付けようと自ら提案もしています。外務省も21世紀のプロジェクトとして推奨していたのですが、すべて歴史認識問題でストップしてしまいました」(前出・辺氏)
尹大統領は、1998年の金大中大統領・小渕恵三首相(当時)による「日韓パートナーシップ宣言」の21世紀版を実現させると宣言している。当時良好だった日韓関係まで戻ることができれば、「日韓トンネル」の実現は決して夢物語ではない、と辺氏は言う。
「実現のハードルは高いですが、日本と朝鮮半島が海底トンネルでつながれば、竹島問題はなくなるかもしれない。日韓がいがみあうことも、なくなるかもしれない。
日本は世界で初めて北海道と青森を結ぶ青函トンネルを手がけており、世界一の海底トンネル技術を持っている。そのうえ、世界最速のリニアモーターカーを開発中。これを組み合わせれば、決して不可能なプロジェクトではないでしょう。
トンネルができれば、日韓双方にメリットはありますが、経済的なメリットでいえば、大陸と直通する日本のほうが圧倒的に大きい。2002年日韓ワールドカップも一大イベントでしたが、それをはるかに超える大プロジェクトなんです」(同)
2002年の日韓ワールドカップからちょうど20年。「日韓トンネル」プロジェクトが動き出すときは来るだろうか。
( SmartFLASH )