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岸田首相、今度は「感染症危機管理庁」創設…デジタル庁、こども家庭庁に次ぐ省庁乱造に「嫌な予感しかない」の声
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.15 20:57 最終更新日:2022.06.15 21:27
6月15日、岸田文雄首相は首相官邸で記者会見し、感染症対策を強化するため、内閣官房に「感染症危機管理庁」を開設すると発表した。「有事には、各省庁の職員を指揮下に置き、首相のリーダーシップの下、一元的に感染症対策をおこなう」という。
加えて、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合し、アメリカCDC(疾病対策センター)をモデルにした「日本版CDC」も創設する。岸田首相は「有事と平時にそれぞれメリハリをきかせた体制をつくることを考えた」と意気込んでいる。
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岸田首相の肝いりの新省庁だが、その効果のほどを疑問視する声は多い。
「ここ最近、デジタル庁やこども家庭庁など、省庁の新設が続いています。しかし、期待した効果が出ているかというと、微妙なところではないでしょうか」(全国紙記者)
デジタル庁には、これまで莫大なコストがかかっている。現在、同庁は永田町駅そばの「東京ガーデンテラス紀尾井町」に設置されているが、『朝日新聞』(2021年7月20日)によれば、家賃は年間約8億8700万円もするという。
母体となったのは内閣官房IT総合戦略室だが、すでに2回も引っ越している。霞ヶ関から虎ノ門への引っ越しで5000万円以上かかり、虎ノ門から紀尾井町へ引っ越ししたことで、さらに上乗せされている。
「しかし、コストをかけたわりに、デジタル庁はこれまで目立った成果をあげていません。それどころか、今年4月には、事務方トップで民間出身の石倉洋子氏が退任。他の民間出身者も『会議が多すぎる』など、アナログな上層部に愛想を尽かし、続々と退職していると報じられています。
加えて、メールの誤送信やシステムの不具合で個人情報の漏洩を何度も繰り返しているのです」(同)
一方、こども家庭庁は、2023年4月に新設され、子供政策の司令塔を担う。
しかし、名づけの段階で一悶着起きている。当初、家庭に拠りどころのない子供たちの存在を考慮し、「こども庁」という名前が検討されていたが、自民党保守派などから「子供は家庭を基盤に成長する」と強く主張され、変更に至った経緯がある。
岸田首相は「今後、こども家庭庁において、『子供真ん中社会』を目指していく」と意気込んでいるが、はたして宣言どおりにいくのだろうか。
「日本では、2001年、森喜朗内閣の時代に、中央省庁の大規模な再編がおこなわれました。運輸省と建設省が合併して国土交通省に、厚生省と労働省が合併して厚生労働省になるなどして、1府22省庁が1府12省庁に再編されたのです。
しかし、それから20年たち、政府は次々に新しい省庁を作ろうとしています。幼稚園を所管する文科省とこども家庭庁の違い、医療を所管する厚労省と感染症危機管理庁の違いなど、明確な説明が足りないと指摘する声も多いのです」(同)
実際、ネット上では、相次ぐ省庁新設に、不安の声が寄せられている。
《『危機管理庁が新設』に危機感 嫌な予感しかしない…》
《デジタル庁、こども家庭庁に今回の感染症危機管理庁。箱ものばかり作って税金の無駄使いにならなければいいが》
《デジタル庁があのありさまなので、ろくなものにならない予感しかない 》
国民の不安に、岸田首相はどう答えるのか――。
( SmartFLASH )