社会・政治
「年収200万円」トレンド入りで「日本人が出稼ぎ」の危機感…「もはやサイゼリヤにも行けない」で巻き起こる「豊かさ」論争
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.21 20:08 最終更新日:2022.06.21 20:19
「年収200万円」という言葉がツイッターでトレンド入りし、大きな話題を呼んでいる。
端緒となったのは、6月7日に発売されたムック本『年収200万円で豊かに暮らす』(宝島社)だ。家計再生コンサルタントの横山光昭氏が監修する同書は、人気の漫画家やブロガー、インスタグラマーなどが、お金をかけずに豊かに暮らすためのテクニックを多数、紹介している。
【関連記事:老後が心配でもあわてるな「年金2000万円問題」は存在しない!】
このムック本の表紙がツイッターに投稿されると、たちどころに2.8万件もリツートされ、11.3万の「いいね」がついた。同時に、年収200万円という額面について議論が紛糾することに。
《なんかもう節約を美徳とする考えやめようよ。゚(゚´Д`゚)゚。だから日本貧乏になるんだよ》
《まさか、「贅沢は敵だ」が、美しい体裁の、かわいいイラスト入りの雑誌でやって来るとは思わなかった》
《そんなの生活できない!いや、頑張れば出来る!という話ではなく、生活コストや税金の高さを考えると明らかにバランスが悪い(収入が低すぎる)から、政府に対して怒らなきゃいけないんだよな》
《数十年後には当たり前になっているかも。日本人が海外に出稼ぎにいくのも時間の問題だと思ってる》
「最近、日本の給料が諸外国に比べて安すぎるとの報道が増えましたが、実態はかなり深刻です。2021年9月に国税庁が公表した『民間給与実態統計調査』によると、給与所得者5245万人の平均年収は433万円になっています。
このうち、年収200万円以下は、男性で327万人(10.6%)、女性で838万人(38.6%)。男女合わせて1165万人(22.2%)もいるので、実に労働者の5人に1人以上となります。
SNSでは『年収200万円では暮らせない』といった意見が数多く書き込まれましたが、日本の貧困度合いは予想以上なのです。
また、『だったら公務員がいい』といった意見もありますが、実は公務員もいまは非正規雇用が激増しています。2021年7月に『公務非正規女性全国ネットワーク』が公表した調査によれば、回答者の半数以上が年収200万円でした」(社会部記者)
実は、この日、「年収200万円」と同じようにトレンド入りしたのが「サイゼリヤ」だった。
「サイゼリヤは、昔からネット上でよく話題になる存在です。『サイゼリヤに初めてのデートで行くのはありかなしか』というテーマが定期的に盛り上がるほか、安価に飲食できるという文脈でもひんぱんに登場します。
よくも悪くも、ネットでは『格安の象徴』『庶民の味方』といった立ち位置で知られるレストランですが、この日、《「サイゼリアで満足」してるような感覚は、まぎれもなく「貧しい」んだということは、忘れないようにしたい》とのツイートが投稿され、炎上したのです」(同)
この結果、SNSでは「年収200万円ではサイゼリヤにすら行けない」との投稿が数多く見られることに。
《年収200万ならサイゼリヤで満足どころか食べに行く事すら無理》
《年収200万とか趣味に使える金額とかサイゼリヤとかが話題に上がってくる辺り、日本の貧困みがある》
《「年収200万で豊かに暮らす?ふざけんな!」と「サイゼリヤで満足するのは貧しい?ふざけんな!」が同居するトレンドを見て、「豊か」「貧しい」とは一体…などと考えたりしている》
《最近の人間が「サイゼリヤで満足する奴は貧乏」だの「年収200万でも幸せ」だの世間から見た、他人から見た幸せの基準でしか幸福を感じなくなってんのが問題なんだよな》
収入が上がらないなか、相次ぐ値上げに苦しむ日本社会。自分は自分、他人は他人という考えで、自分なりの「豊かさ」を見つけていくしかないのかもしれない。
( SmartFLASH )