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中3の視力0.3未満が3割…文科省「小中学生の近視深刻」報告に、ネットで「スマホの弊害」論争
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.24 16:00 最終更新日:2022.06.24 16:04
6月23日、文部科学省は2021年度に初めておこなった「児童生徒の近視実態調査」の結果を公表した。全国29校の小中学生約8600人を対象に、2021年4~12月に実施。
今回の調査では、目の表面の角膜から最も奥にある網膜までの眼球の奥行き、いわゆる「眼軸」の長さも調べた。「眼軸」が長ければ長いほど近視が進んでいるとされ、調査では、学年が上がるほど近視が悪化する傾向が明らかに。
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眼軸の長さの平均は、小1男子は22.96ミリ、女子は22.35ミリだったが、中3では男子が24.61ミリ、女子が24.18ミリ。小学6年生の平均の長さが成人の平均に達していることもわかった。
視力検査でも、裸眼視力が1.0未満だったのは、小学1年生でおよそ2割だったのが、中学3年生ではおよそ6割に増加。およそ3割は0.3未満となった。
子供の視力は、1979年に統計を取り始めて以降、40年あまりにわたって低下傾向が続いている。
「文科省は、小中学生に1人1台の情報端末を配布するGIGAスクール構想を進めていますが、眼軸の長さが延びることで起きる近視は、30センチ以内の近いところを見る時間が長くなると進行するとされています。
そのため、子供や保護者に対し、スマートフォンやタブレット端末を見るときは、姿勢を正して、30センチ以上離すことをすすめています。
さらに近年では、1日2時間ほど屋外で活動し、十分な光を浴びることで近視の進行を抑えられることがわかっています。小中学校では、コロナ禍もあり、屋内での授業を強いられましたが、校庭での運動や校外授業などをもっと取り入れるべきです」(教育記者)
文部科学省は2024年度にデジタル教科書の本格導入を目指しているが、同省がおこなった別の実証事業では、2~4割の小中学生が、授業後に目や首、肩に疲れや痛みを感じた、という結果も出ている。
近視実態調査の結果が報じられると、ネット上では、スマートフォンやタブレット、携帯ゲームの使用を危惧する声が上がった。
《私が小学生の頃には視力悪い子はクラスに2、3人しか居なかったイメージ。間違いなくスマホや携帯ゲームの普及が原因だろうと思っています》
《自分たちの世代はテレビゲームが原因で視力が悪くなった人が多かったが、現代の子どもはテレビゲームだけではなく、スマホ、タブレット、パソコンを使うのが普通になっていて、視力なんて悪くなる一方だと思う》
一方で、スマホやゲームの影響を否定する声や、もはや視力の低下は仕方ないという声も見られた。
《スマホとか異様な見方(時間)じゃなければそんなに影響あるのかな。私の娘もスマホやタブレットそんなに見ないけど小3でぐっと視力が落ちたから遺伝の部分がおおきいんじゃないでしょうかね》
《視力低下はもちろん防げるものなら防ぎたいが、7割ほどの人が1.0未満である以上それを前提に社会設計したほうがずっといいかと》
文部科学省は、3年程度調査を継続し、視力低下の予防策につなげる方針という。デジタル機器と視力低下の関係性について、さらなる調査が待たれる。
( SmartFLASH )