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尼崎USBメモリ紛失、会見で露呈した「日本のITリテラシーの低さ」…企業の今後の対応憂う声も

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.24 19:10 最終更新日:2022.06.24 19:13

尼崎USBメモリ紛失、会見で露呈した「日本のITリテラシーの低さ」…企業の今後の対応憂う声も

6月23日、記者会見する尼崎市の稲村和美市長(写真・時事通信)

 

 兵庫県尼崎市で、全市民の個人情報が入ったUSBメモリが紛失した問題で、6月24日、同市はUSBメモリが見つかったと発表した。

 

「21日、新型コロナの給付金支給業務を委託されていた企業の従業員が、全市民46万人ぶんの個人情報が入ったUSBメモリを酔っ払って紛失。23日になって同市が公表すると、ずさん過ぎる個人情報管理に批判が殺到しました。

 

 

 USBには、ほかにも住民税に関する情報36万573件、生活保護や児童手当受給世帯の口座情報が合計7万6026件、非課税世帯等臨時特別給付金の対象世帯情報合計8万2716件が保存されていたといいます。

 

 見つかったいまも、自治体の職員などを装った特殊詐欺への懸念が続いています」(全国紙記者)

 

 紛失発覚から2日後に会見を開いた尼崎市だったが、23日の会見で明らかになったのは “ITリテラシーの低さ” だった。

 

「USBにはパスワードが設定されていましたが、記者からそれが解除される危険性はないのか質問されると、市の担当者は『英数字13桁のパスワードを設定している。解読するのは難しいのかなと考えている』と、使用文字と桁数を明かしてしまったのです。

 

 膨大な組み合わせが考えられますが、こう明かしてしまった以上、総当たりで試す『ブルートフォース攻撃』の対象になってしまう危険性がある。SNSでは、『これがパスワードなんじゃないか』との憶測も飛び交ってしまいました」(ITジャーナリスト)

 

 USBが無事発見され、盗難被害の可能性も低いことから、安堵の声も上がっているが、ネットでは同市への批判が後を絶たない。

 

《無断で持ち出す、作業後データ削除しない、パスワードを喋っちゃう。やらかしにやらかしを重ねてて、教材として完璧だった》

 

《記者会見でパスワードの桁数までばらしたり、笑える失敗と笑えん失敗があるっちゅーねん》

 

「民間企業ならUSBでデータ管理なんてありえないという声もありましたが、今回紛失したのは、市が委託した民間企業の従業員だったわけです。“お役所のITリテラシーが低い” のではなく、日本の民間企業も個人情報データ管理についての意識が足りなかったことがわかります」(ITジャーナリスト)

 

 ネット上では、これからの日本企業の対応を憂う声も……。

 

《中小企業では、我が社のUSBメモリの管理の仕方はどうなってる!って、上層部が騒いで全社的にUSBメモリの管理の仕方をヒアリング、チェックしてるんだろうな》

 

《これでUSBメモリが使われなくなるとか考えてる人はJAPANをわかってない。たぶん「USBメモリの使用時は管理者が監視しデータの削除まで完了したらハンコを押す」みたいなクソレギュレーションが各所で導入される》

 

 日本のデジタル化は、今後もなかなか進みそうにない――。

 

( SmartFLASH )

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