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中村修二氏が「ソニーもパナソニックも潰せばいい」と語る理由社会・政治 投稿日:2014.11.12 17:00

中村修二氏が「ソニーもパナソニックも潰せばいい」と語る理由

 

「いまの日本は大企業主義で、大企業が潰れたら日本全体がダメになるとみんなが思っています。それで潰れかかった企業を一生懸命支えているからおかしくなる。ソニーやパナソニックであれ、潰れそうな企業は、いっそ潰せばいいんです。アメリカなら大企業がダメになったら解体され、小さなベンチャーがいっぱい出てくる。“盛者必衰”。そこから新しい可能性が生まれるんです」

 

 こう語るのは、青色発光ダイオードの実用化に成功し、ノーベル賞に続いて文化勲章を受賞した中村修二氏(60)だ。中村氏はいまも最前線にいる。大学で指導するかたわら、’08年にシリコンバレーに立ち上げたLEDメーカー「SORAA(ソラー)」の創立者として、安価で効率的な照明器具を開発している。そんな中村氏には、かつて数多くのベンチャー企業を生みながら、いま昔日の勢いを失った日本は歯がゆく映る。

 

 中村氏は’79年、松下電器に落とされ、地元・徳島の日亜化学工業に入社。当時は、従業員200人の地方ベンチャーにすぎなかった。上司からの「研究中止命令」も無視する変わり者社員として研究に没頭。先代の故・小川信夫社長は研究費3億円をポンと出し、見守ってくれた。入社時から続けていた実験装置の開発に成功し、圧倒的に明るく長寿命な発光ダイオードが製品化されたのは、’93年のこと。発明の対価として日亜化学から受け取ったのは2万円だった。

 

「社長への私怨が私を200億円裁判に駆り立てた!」。’04年2月掲載の本誌インタビュー記事の見出しだ。当時、中村氏は現社長・小川英治氏との泥沼の訴訟合戦のまっただなか。「怒りが原動力」と公言し、同社への敵意を隠そうとしなかった。このころから中村氏の「怒り」は、研究開発から、より大きな制度そのものへと向かっていく。ニュースでも大きく報道され、反発も受けるようになった。

 

「あのときは、互いにミスアンダースタンド(誤解)があった。なのに、今回のノーベル賞受賞で、そのときの本が続々と復刊されて困ってるんです(苦笑)。今にして思えば、私が賞を受けたのも日亜化学のおかげ。日亜はいまでもLEDのマーケットシェアの30%を持つ世界のトップメーカーです。英治氏のリーダーシップの賜物です」

 

 中村氏が日亜化学との訴訟でもっとも訴えたかったのは、「企業内で業務としておこなった発明(職務発明)の特許は、会社ではなく発明者個人に帰属する。もし会社に譲渡する場合は、相応の対価が支払われる」という主張。いま、その根拠となった特許法35条が改正されようとしていることに中村氏は憤る。

 

「いま、職務発明の特許を会社のものにする改正案が進んでいます。これでまた、日本は“共産主義化”する。私は日米で裁判しましたが、日本の裁判は『正義か悪か』という基準がなく、どれだけ多くの人が利益を得られるかの一点。個人やベンチャーが大企業と争っても勝ち目がなく、大企業は技術を盗み放題です。万一、個人が勝っても1兆円くらい稼いでいる大企業の賠償金が、100万円くらいだったりする」

 

 ノーベル賞、そして文化勲章。最高の栄誉を手にした中村氏だが、まだまだ原動力である「怒り」は収まりそうにない。

 

(週刊FLASH 2014年11月25日号)

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