7月8日に発生した、安倍晋三元首相の銃撃事件。犯行の詳細な経緯が、徐々に明らかにされつつある。
山上徹也容疑者が使用した銃は自作とされていたが、警察の調べに対して「YouTubeを参考に作った」といった趣旨の内容を語っている。
「YouTube上で『home made gun』などと検索すると、自作の銃を紹介する海外の動画が続々と出てきます。それらを参考にすれば、一般人でも作れるはずです」(専門誌記者)
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実際、銃を紹介する動画は、YouTubeの一大コンテンツとなっている。日夜、海外のガンマニアたちが、自慢の愛銃を射撃し、その魅力を語っている。そのなかに、“自作銃”のジャンルもあるというわけだ。
「ご丁寧に、銃を自作する際に必要な工具まで紹介している動画もあります。一応、規制はあるので、たとえば細かな内部構造や、部品を製作する過程は、ほとんどの場合、カットされています。しかし、そもそも銃とは、筒に弾を込めて火薬を点火させて、発射させるだけのものです。マシンガンのような連射機構が必要でない、単発式のシンプルな機構であれば、アイデアさえ動画から手に入れられれば十分なんですよ」(同前)
山上容疑者の自作銃は、一部にコードが見えることから、発射薬に火をつける雷管は、電気式のものを使用したと見られる。
「さすがに銃そのものを一から作る動画はありませんが、電気式の雷管の作り方だけなら、いくらでも載っています。つまり銃本体の作り方と、電気式の雷管の作り方をそれぞれ学び、組み合わせればいいのです。山上容疑者が使用したような、低レベルな自作銃の知識が広がるのを取り締まることは、ほとんど不可能です。
あの程度の自作銃だと、命中精度は非常に低く、殺傷能力を持ちうる有効射程距離も数m程度ではないでしょうか。山上容疑者をあそこまで近寄らせてしまい、2発も発射を許してしまった警備体制にも問題があるのです」(同前)
「銃が人を殺すのではない」とは言うけれど……。
( SmartFLASH )