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参政党が余裕で1議席、社民党はなんとか1議席 解禁10年めで到来した「本格的ネット選挙」時代
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.07.12 17:18 最終更新日:2022.07.12 17:18
2022年7月の参院選では、NHK党の新人、「ガーシー」ことユーチューバーの東谷義和氏が約29万票を獲得し、初当選。また、国政選挙で初めて候補者を出した参政党も1議席を獲得した。
一方で、自民党の生稲晃子氏は、報道各社のアンケートで無回答が多かったことからネットで炎上、逆風に見舞われ、辛うじて東京選挙区で当選を果たすこととなった。ネットでの炎上が逆風となる傾向が強まったうえに、SNSを駆使した候補者が当選する「ネット選挙時代」が本格的に到来したといえるのか? 政治ジャーナリストの角谷浩一氏に話を聞いた。
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「2013年の参院選で、ネット選挙(インターネットを利用した選挙運動)が解禁されて10年めですが、本来、想定していたネット選挙と違うところに進んできている面はありますね。いままでの政治家がネットツールを使って当選しやすくなる、ということではなく、ネットの影響力を最大限、利用して、当選する人が出てくるようになりました。
NHK党のガーシー氏がまさにそうですね。日本にいないにもかかわらず、ネット動画を駆使して当選をはたした。この手法を始めたのはNHK党ですが、NHK党でさえ、まず地方議会に足場を作ってから国政に挑戦し、2019年の参院選で1議席を獲得したわけです(当時は『NHKから国民を守る党』)。
それが、今回の参政党は、全選挙区に候補者を立て、有権者が選挙遊説動画をどんどん拡散してくれることを前提にした戦略で、1議席を獲得した。資本力があれば、支持組織や団体がなくても議席を余裕で獲得できる時代になった。候補者を実際に見たことがないけど、投票する。この傾向はさらに強まっていくでしょう。
参政党で当選をはたした神谷宗幣(そうへい)事務局長が『TikTokで若者が動画を拡散してくれた』と言っていますが、TikTok動画などは、30秒から1分ぐらいの短いものもある。このぐらいコンパクトな動画のほうがインパクトがある、ということが明確に出てきたのが、今回の参院選でしたね。
また、社民党の福島みずほ代表が、信じられないほど全国を回って遊説し、なんとか獲得できたのが1議席でした。また、共産党の大門実紀史(みきし)氏や、立憲民主党の有田芳生(よしふ)氏など、現職のベテラン議員が落選しました。最近の国政選挙をテレビがほとんど報道しなくなって、有権者はネットで情報を得るしかなくなっていることも、ネット選挙の影響力が強まっている一因だと感じます。
生稲晃子氏は、アンケートにほとんど無回答だったり、回答内容に矛盾があったりして、炎上しました。ネットの炎上には、いかに早く、効果的に対応するかが必要です。とくに既存政党は、炎上対策を強いられる傾向が、ますます強くなっていくと思います」
アナログ議員では、もはや生き残れない時代がやってきているのだ。
( SmartFLASH )