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力のない1年生議員ふるい落とす…無風の選挙を利用する自民党社会・政治 2014.12.03

力のない1年生議員ふるい落とす…無風の選挙を利用する自民党

 

「年末のお歳暮商戦、忘年会商戦という書き入れ時に、“アベノミクスへの評価”という争点で選挙をぶつけることに対する批判が高まっている。4月の消費増税で悪化した業績を、“なんとか取り戻そう”と必死な人たちが、“またチャンスをつぶされた”と思うのも仕方がないことです」

 

 そう語るのは、政治ジャーナリストの角谷浩一氏。消費税の先送りをし、“争点ボカし”の選挙に踏み切った安倍晋三首相(60)。大義なき総選挙に、国民は“ドッチラケ”の様相を見せている。

 

 産経・FNNが11月22、23日に実施した合同世論調査では、安倍首相が解散を決断したことについて、「適切だと思わない」が72.2%に達した。

 

「選挙の公示日が近づけば、だいたい支持傾向は分かれるもの。しかし、今の時点でも“投票に行くか”“どこに投票するか”決めていない『無関心層』が拡大している。投票率は’12年衆院選(投票率59.32%で戦後最低)より下がる可能性がある」(角谷氏)

 

 県庁所在地がある各都道府県の「1区」は、都市住民が多く、重要な政策課題への賛否がはっきり分かれる選挙区だ。今までも、1区での投票行動が衆院選の帰趨を決してきた。’05年の「郵政解散」選挙では、自民が33勝(無所属1含む)14敗と圧勝。だが、’09年の「政権選択」選挙は強烈な逆風から、自民が8勝39敗。さらに’12年の「近いうち解散」選挙では、民主党への逆風が吹き荒れ、自民が41勝6敗。“オセロ”のように勝敗はひっくり返ってきた。

 

 だが、今回の選挙は“無風”状態。組織票を持つ自民党・公明党が、圧倒的に有利な状況だ。本誌が過去の選挙結果、および最新の情勢調査を加味して1区を予想すると、結果は自民党の32勝15敗。地力の差が勝敗を分ける結果となった。はからずも、麻生太郎副総理がこんな言葉を述べている。

 

「この選挙を含めて(過去)3回の選挙のなかでいちばん風の吹いていない選挙だ。追い風でもなければ向かい風でもない。きちっと後援会活動を2年間やって、(中略)風頼みの選挙でない人が確実に当選するだろう」

 

 自民党は、風に頼らない、負けない議員を選別するため、今回の“無風選挙”を利用するフシさえ見える。自民党新人議員は次のように話す。

 

「石破茂前幹事長時代から厳しい要求を突きつけられました。地元事務所には何人の秘書がいて、車は何台あるのか、といった資料を党本部に提出せよ、というわけです。議員1人で党員1000人獲得というノルマを課せられることもあった。達成できなければ罰金。しかも議員の候補者資格の見直しもあるという信賞必罰ですから」

 

 現に、支持基盤の強化を怠っていたとして公認されない1年生議員が複数いるのだ。

 

「1年生議員たちは、地元に戻って、“あのころとぜんぜん違う。国民が関心を持ってくれない”と戸惑っています。“無風”の選挙が、自民党の1年生議員を直撃する」(角谷氏)

 

 11月28日時点で公認内定している候補の顔ぶれを見てみると、北海道、長野、滋賀、大分では1年生議員が民主党のベテラン議員に苦戦を強いられることは明白。一方、北陸、中国、四国地方は、自民党ベテラン議員が圧倒的な強さを見せる。力のない1年生議員をふるい落とす。自民党は筋肉質になって戻ってくるというわけだ。

 

 今回拡大した“無関心層”が投票行動を起こさなければ、自公政権の大勝は必至の状況だ。“無関心”が安倍首相への“追い風”になる。解散から投票まで約3週間の短期決戦。大義なきまま「伝家の宝刀」を抜いた安倍首相に、大勝をさせていいわけがないのだが。

 

(週刊FLASH 2014年12月16日号)

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