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野田佳彦・元首相が「天皇陛下はあらゆる人の話を傾聴する」

社会・政治 投稿日:2017.05.04 06:00FLASH編集部

野田佳彦・元首相が「天皇陛下はあらゆる人の話を傾聴する」

 

 昭和天皇と今上天皇を取り巻く環境を考えると、宰相との関係性に大きな違いがある。昭和天皇は、吉田茂、中曽根康弘を筆頭に、陛下を熱烈に崇拝する総理大臣に恵まれた。吉田茂は、昭和天皇へ向けて、「臣茂」と自称し、マスコミから「主権在民の時代に天皇の臣下とは、時代錯誤も甚だしい」と猛批判を浴びたほど。また中曽根元総理は、昭和天皇について、著書でこう記している。

 

〈人間的な深みというか、責任感と思慮の深さという点では、一二四代続いた天皇家の中では最高の天皇だったと思います〉(『天地有情』文藝春秋)

 

 天皇陛下にとって総理とは、つね日ごろから「内奏」を機に会話を交わすなど、非常に近い存在である。東日本大震災発生の半年後、総理の職に就いた野田佳彦・現民進党幹事長も、実際に今上天皇に内奏し、何度も被災地の様子を報告したという。

 

「お会いするたびに、被災者に寄り添いたいという陛下のお気持ちをひしひしと感じました。我々と接するときもそうですし、陛下はあらゆる人の話に心から耳を傾けられます。たんなる聞き上手ではなく、『傾聴』するのです。この姿勢が、われわれ政治家とは違う、陛下のお気持ちなのだと思います。それを国民へ橋渡しするのが政府の役目です」

 

 だが、天皇陛下と総理の間に信頼関係が築かれていた昭和の時代に比べ、現在の安倍政権と今上天皇の間にはあまりにも意思疎通が不足してはいないだろうか。

 

 そう疑うのは、今上天皇の学習院初等科時代からのご級友である、明石元紹氏だ。現に今上天皇は、昨年夏、政府ではなく、直接国民に対して「おことば」を発せられ、譲位の意向を示されている。

 

「陛下が譲位したいと表明されたのに、どうして延々と議論ばかりしているのでしょうか。安倍(晋三)さんも、吉田茂の孫である麻生太郎副総理も、あまりに冷淡すぎやしませんか――」

 

(週刊FLASH 2017年3月28日、4月4日号)

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