「巨大与党を維持した今こそ、与野党の女性議員が党派を超えて結束し、働く女性が抱える問題に関して、安倍首相にハッキリと主張する必要がある」
こう語るのは政治評論家の伊藤達美氏だ。今回衆院選で当選を果たした女性議員は45人(全体の9.5%)。政府の「2020年までに指導的地位の女性割合を全体の3割以上」という目標にはほど遠いものの、来年初場所(通常国会)を盛り上げてくれるはず。そこで伊藤氏監修のもと、最新番付を作成してみると、無風だった衆院選とは裏腹に、大砂嵐が吹き荒れる番付となった。
まずは、前頭二枚目へと番付を二枚上げた佐藤ゆかり氏(大阪11区)。「自民党が1度も勝っていない選挙区で勝利した功績は大きい。有名人好き、怖いもの見たさの大阪の風土にうまくマッチした」(伊藤氏)。選挙区を転々とし、“政界渡り鳥”の異名を持つ佐藤氏。鳩山政権の官房長官だった民主党の平野博文氏に1万票以上の差をつける勝利だった。
一方、前頭筆頭から三枚目まで番付を二枚落としたのは小渕優子前経産相(群馬5区)。11万4000票も獲得し、禊をすませた感もあるが……。「無所属で出るべき。選対委員長が同じ額賀派の茂木敏充氏だから公認を出したのでしょうが、自民党の良識を疑います」(伊藤氏)。捜査が進展すれば、茂木氏の勇み足になりかねない。
高市早苗総務相は「政調会長時代に調整能力のなさを露呈」(伊藤氏)して、大関から陥落。入れ替わりで大関に昇進した稲田朋美氏が「初の女性宰相にもっとも近い存在」(伊藤氏)。
野田聖子氏は当選8回を誇り横綱の地位を守るも、かつて「女性初の首相」として名前が挙がった小池百合子氏は、貼り出し状態だ。「女性議員としてトップに入るキャリアだが、次のキャリアが何かを考えると、首をかしげてしまう」(自民党本部職員)。とはいえ、「能力はある人。地味な仕事を頑張れば、また評価されるはず」(伊藤氏)とも。
初当選組の注目は、逸ノ城ばりのスピード出世で前頭筆頭に躍り出た、鈴木宗男氏の三女・貴子氏だ。「まだ28歳。父・宗男氏を超える。演説に迫力があり、自民党の小泉進次郎氏に匹敵する存在になる可能性も」(伊藤氏)。北海道7区では225票差で敗れるも、惜敗率99.7%で復活当選。激戦を戦い抜いた貴子氏に話を聞くと……。
「いまもっともやりたいのは民主党を変えること。下から目線の、現場の声を吸い上げる政治に取り組む党として、いかに再生できるか。新参者ではありますが、外の声、新しい風、28という若さを生かして、“私が民主党を引っ張っていく”ぐらいの気概で活動していきたい」
初場所で金星を獲得する可能性大だ。
(週刊FLASH2015年1月6・13日号)