7月26日、二之湯智国家公安委員長が、旧統一教会との関係を認めた。2018年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体が主催したイベント「ピースロード」において、京都府実行委員会委員長を務めていたのは「事実」だと、閣議後の会見で明らかにした。
二之湯氏は「政治家はいろいろなお付き合いがある。平和の祭典、運動を起こすので、ちょっと名前を貸してほしいというので貸した。それ以上の付き合いはない」とし、イベント当日には集まった人たちの前でスピーチしたことも認めた。
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政治家と旧統一教会との関係がクローズアップされるなか、よりによって警察組織を管理する立場にある国家公安委員長までも――。
あまりに不適切な行為と言わざるをえないが、本誌では7月15日に、二之湯氏と旧統一教会との関係を報じている。
2021年4月、国立京都国際会館で開催される予定だった『新型コロナ終息を願う京都1万人祈りの集い』というイベントがある。実行委員長は旧統一教会の京都教区長で、「天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合」や教団系列組織「京都府平和大使協議会」などが共催しており、実質的に旧統一教会の主導イベントだ。
そして、その『呼びかけ人』に名を連ねているのが二之湯氏だった。本誌は二之湯氏の事務所に、旧統一教会との関係について質問書を送ったが、返答はなかった。
「安倍晋三元首相の銃撃事件で批判を浴びている警察組織ですが、国家公安委員長が旧統一教会と親しい関係にあるとすれば、さらなる批判は避けられません。警察全体への不信にもつながりかねない。
二之湯氏が国家公安委員長になったのは2021年10月で、これらのイベントはいずれも就任前です。岸田文雄首相は、任命責任を問われても仕方がないでしょう」(政治部記者)
二之湯氏は、京都市議を経て、2004年の参院選で初当選し、3期務めた。今回の参院選には出馬せず、7月25日の議員任期満了をもって政界を引退した。
だが、国家公安委員長については「やめろと言われない限り一生懸命取り組んでいきたい」と、民間人の立場で職務を続ける意向を示している。
7月26日には、岸信夫防衛大臣も「旧統一教会の方と付き合いもあるし、選挙の際にも手伝ってもらっている」と関係を認めている。こんなことで国を守ることができるのだろうか――。
( SmartFLASH )