安倍晋三元首相の銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者。この山上容疑者の “減刑” を求める署名が、7月31日時点で3000人を突破した。
この活動は、7月15日に署名サイト「Change.org」上で開始されたものだ。検察庁長官宛てに、山上容疑者の減刑を求めるという趣旨。
署名活動を立ち上げたとされる人物は、同サイト上で山上容疑者は《過酷な生育歴》で、《本人が非常に真面目、努力家であり、更生の余地のある人間である事》と主張。
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そのうえで、《親の信仰によって、生活も精神も追い詰められる人が非常に多いです。このような状況で物心ついた時から生活していた山上徹也容疑者に、どうか寛大な見解をお願いします》と述べている。
「山上容疑者は幼くして父親を亡くし、母親は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に入信し、多額の献金で自己破産。山上容疑者は経済的理由で大学進学も断念し、3年間の海上自衛隊勤務を経て、アルバイトや派遣社員を転々としてきました」(社会部記者)
同サイトには署名に賛同する人々のコメントが殺到している。
《彼は犯罪者である以前に犠牲者です。その点、量刑に考慮があって当然です》
《結果は残念だけど親を選べない彼の不遇な生い立ちは本当に気の毒で同時に宗教の恐ろしさを改めて感じました》
《このような犯罪が起こらなくするのが政治であるのに、それをせず自分たちだけ税金を使って贅沢三昧をし、未来ある若者をこのような犯罪に追い詰めた責任が政治家にはあると思う》
《私も母親が信者で、私は別の教団でイジメを受けました。宗教自体なくなってほしいと思います。彼の行動を無駄にしないでください!》
さらには、山上容疑者に現金を差し入れようと呼びかける人物まで登場している。
《山上君が留置場で好きなモノを買えるように、出所した時の生活費の為に、お金の差し入れしませんか? 赤の他人でも現金書留でお金の差し入れは出来ます。千円でも五千円でもいくらでもいい、今までさんざん一人で苦しんで生きてきたんだから、こういう時くらい誰かに優しくされてもいいと思う》
「“擁護派” のなかには、山上容疑者と同じように近しい人が旧統一教会に入信して苦労したという方が多くいるようです。旧統一教会の霊感商法や過剰な献金の問題については、冷静に追及されるべきでしょう。
とはいえ、この署名活動について、ネットでは『山上容疑者より苦労してきた人は山ほどいる』『殺人には変わりないし、減刑したら同じような犯罪が増える』など、冷静な声も多いです。そもそも、求刑すらされていないのに、減刑を求めるのは時期尚早でしょう。
実は、1921年9月に発生した安田善次郎刺殺事件は、犯人が世間で “英雄視” されました。これに刺激を受け、同年11月に原敬首相暗殺事件が起きたと言われています。安易に山上容疑者を持ち上げる風潮は非常に危険です。
なお、山上容疑者宛ての差し入れを警察署に送っても、家族と弁護士以外のものは受け取りを拒否されるそうです。実際に差し入れを送った人が返送されたため、警察署に理由を聞いたところ、『危険物を送ってくる可能性もあるから』と言われたそうです」(同)
山上容疑者の減刑を求める署名活動が、昭恵夫人など遺族を傷つけなければいいが……。
( SmartFLASH )