8月3日、岸田文雄首相は、自民党本部で開かれた両院議員総会で、こう危機感をあらわにした。
「私たちはいま、『新型コロナ』『ウクライナ』『世界的な物価高騰』など、歴史を画するような大きな課題に直面している。戦後、最大級のこの難局に直面している」
次々と明らかになる、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党国会議員との関わりや、賛否が割れる安倍晋三元首相の国葬、中国が日本の排他的経済水域(EEZ)内に発射したミサイル5発、さらに新型コロナウイルスの第7波……たしかに、「戦後最大級の難局」といえるだろう。
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だが、8月3日に召集された臨時国会の会期はわずか3日。政府・与党は国民の前での議論や説明を、事実上、拒んだ形だ。
「旧統一教会との関係についても、岸田首相は7月31日に『政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明していくことが大事だ』と述べただけです。本格的な法案審議、与野党の論戦は秋の臨時国会に持ち越しとなりました。
岸田内閣の支持率が下がるなか、本格的な論戦を受けて立つのは不利と判断したのでしょう」(政治部記者)
ネット上でも、たった3日間で臨時国会が閉じる事態に、「国会を閉じるな」という声が多く上がっている。
《統一教会 円安・物価高 大雨災害 これだけ問題発生時に3日で国会を閉じるな!》
《保身と疑惑隠しのために国会を閉じるな》
《かつてない危機に直面している時に、このまま国会を閉じて夏休み…でいいはずがないでしょう》
《こんなに問題山積なのに、たった3日で国会を閉じて夏休みに入ろうだなんて》
実のところ、岸田首相が「戦後最大級の難局」と認めるなら、会期を長く取ることは可能だという。
「1998年7月30日からの臨時国会は、当時の小渕恵三首相のもと、79日間という異例の長さになった例があります。
1998年7月12日の参院選で自民党が大敗し、橋本龍太郎首相が退陣。新たに首相に選出された小渕首相が、金融危機のさなか、秋まで法案審議に精力的に取り組み、金融再生法、金融早期健全化法などを成立させました。野党案を『丸のみ』したと批判されましたが、結果を出したのは事実です」(同)
「冷めたピザ」と揶揄されながら、辛抱強く国会論戦に臨んだ小渕元首相を、岸田首相も見習ってほしい。
( SmartFLASH )