社会・政治社会・政治

日本から「年500億円」搾取した統一教会、布教の始まりは「日本を救うための密航」だった

社会・政治 投稿日:2022.08.05 21:35FLASH編集部

日本から「年500億円」搾取した統一教会、布教の始まりは「日本を救うための密航」だった

文鮮明・韓鶴子夫婦(写真:ロイター/アフロ)

 

 安倍晋三元首相の暗殺事件をきっかけに、旧・統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の異様な実態が次々と明るみに出ている。

 

 なかでも注目されているのが、8月4日に発売された「週刊文春」の「文鮮明・韓鶴子『強欲夫婦』の本性」と題された記事だ。

 

 同誌は、統一教会創始者の文鮮明氏と、現総裁の韓鶴子夫妻がカジノに興じていた姿を報じている。教義上、賭け事は厳格に禁じられているが、文氏はブラックジャック、韓氏はスロットにハマっていたという。

 

 

 2人は、ニューヨークに総工費70億円とも言われる大豪邸を構え、その後もロサンゼルスやハワイなど各地で土地を購入した。さらにリムジン2台やヨット2隻も所有していたという。

 

 2人はアメリカでさまざまなビジネスを立ち上げるが、なにより豪華な生活を支えたのは、日本人信者からの多額の献金だった。同誌は1999年からの9年間で計4900億円、年約500億円が日本から韓国に送金されたと報じている。

 

「旧統一教会がどれほどの金を集めたのか、正確にはわかりませんが、たとえば米ニューヨーク・タイムズ紙は、7月23日に『1980年代半ばまでに、数十億ドルという寄付金が日本の家庭から教会の金庫へ流れた』としています。また、同紙の別の記事では、1976年から2010年にかけて、日本の旧統一教会からアメリカに36億ドル、つまり4700億円以上も送金されたとしています」(新興宗教に詳しいジャーナリスト)

 

 旧統一教会は、1954年に韓国で設立された土着的キリスト教系新宗教で、日本には1958年に伝わり、翌年にはアメリカでの活動が始まった。日本で宗教法人として認証されたのは1964年のことだ。

 

 日本への布教は、いったいどのように始まったのか。当初は「日本を救うために密航した」と、文氏自身が自伝で語っている。

 

 2009年10月に出版された『平和を愛する世界人として 文鮮明自叙伝』によれば、1958年、韓国で布教活動を進めていた文氏は、崔奉春氏(日本名は西川勝)を呼んで「おまえは、今すぐ玄界灘を渡っていかなければならない。勝利するまで戻ってくることはできない」と話したという。

 

 当時は日本と韓国に国交がなかったため、密航するしかなかった。 しかし、崔氏は日本に到着するとすぐに逮捕され、広島と山口の刑務所に収監されてしまう。9カ月ほどたち、韓国に強制送還されることになったが、「韓国に帰るくらいなら死を選ぼう」と刑務所で断食を始める。

 

 断食により体調を崩すと、治療が必要と判断して本国送還は延期された。崔氏は入院先から逃亡し、苦難の末、1959年10月、ようやく日本に教会を創立したという。

 

《日本に、密航させてまで宣教師を送ったのは、日本を救うためであると同時に、大韓民国の未来を開くためでもありました。日本を拒否して関係を断絶するよりも、日本人を教化した後、私たちが主体となって彼らを味方につけなければならないと考えました。

 

 何も持たない韓国としては、日本の為政者と通じる道を開いて日本を背景にしなければならず、また何としてもアメリカと連結されてこそ、未来の韓国の生存の道が開かれると見通したのです》(『平和を愛する世界人として』より)

 

 旧統一教会がアメリカでビジネスを成功させるうえで、非常に役立ったのが日本の政治家との関係だった。

 

「アメリカでビジネスに成功した文氏ですが、脱税により有罪判決を受け、収監されていました。このとき、安倍元首相の祖父である岸信介氏が、当時のレーガン大統領にあてて《文尊師は、現在、不当にも拘禁されています》と釈放を嘆願する親書を送ったことが、『週刊新潮』に報じられています。

 

 その後、文氏は1992年に日本に入国しますが、入管法の規定では入国できないはずなのに、超法規措置で入国を果たしました。これを指示したのは、当時の金丸信自民党副総裁だとされています。こうした優遇の末、日本でも霊感商法が広がり、社会問題となっていくのです」(同)

 

 安倍元首相の暗殺事件をきっかけに、次々と明らかになる、旧・統一教会と自民党のズブズブの関係。ネット上では批判の声が集まっている。

 

《日本でもアメリカでも日本人を食い物にしてきたということですね。主に日本人だけを》

 

《日本で集めたお金を海外に垂れ流す団体を政治家が守る そんな国で文句言うしかないのが残念です》

 

《政治家は選挙のために教団を上手く利用してるつもりだっただろうが、実は教団から信者を増やす道具に利用されていたわけだ》

 

 自民党の政治家たちは、「私は関係ない」と否定するのではなく、歴史的に深い関係だった事実に、きっちりと目を向けるべきだろう。

 

( SmartFLASH )

続きを見る

社会・政治一覧をもっと見る

社会・政治 一覧を見る

今、あなたにおすすめの記事