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菅義偉前首相が選択的夫婦別姓「先送りすべきでない」発言 もっとも「反統一教会的」と賛同の声

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.08.24 16:30 最終更新日:2022.08.24 16:30

菅義偉前首相が選択的夫婦別姓「先送りすべきでない」発言 もっとも「反統一教会的」と賛同の声

写真・アフロ

 

 8月23日、菅義偉(よしひで)前首相は、角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校のネットイベントで講演。選択的夫婦別姓制度について「これ以上先送りしないで、政治の責任で議論して方向性を作っていく時期だ」と述べ、導入に前向きな姿勢を改めて示した。「やはり与党として、責任を持って方向性はリードしていく、そこが大事だ」と強調した。

 

 イベントでは、女子高校生がこんな質問をしていた。

 

 

「家族制度についての質問です。私の家族は父親の家の苗字を受け継ぎました。しかし、母親の家には今、若者がおらず、このままだと母親の家系は無くなってしまいます。そんな家族にも、選択的(夫婦)別姓制度を導入することで家柄が守られると思います。菅先生のお考えをお聞かせください」

 

 質問に対し、菅氏はこう答えた。

 

「なかなか難しい質問だと思っています。選択的夫婦別氏(べつうじ)、これは日本の国民のみなさまにもさまざまな議論があると思っています。ただ、母方のほうで相続がなくなってしまう。ここはやはり大きな問題であることは私も当然、いま認識しています。少子化のなかでこうしたことが、どんどんと社会問題となってきていることも事実だと思っています。

 

 ただ、単純に別氏を母方にすると、今度は、どこまで必要か、子供はどうする、といういろんな問題も発生してきますよね。これは当然に。なかなか政治として申し上げなかったですけど、やはりこれ以上先送りしないで、そうしたお困りの人がいるのが現実ですから、そこはやはり政治の責任で議論して方向性を作っていく時期だと思っています」

 

 菅氏が回答したあと、司会をつとめる政治学者の三浦瑠麗氏が「極論ではない意見を菅さんがお持ちだ、ということを存じ上げているので、お願いしたいと思いますが、どうやったら方向性として議論を先送りにせずやっていけるんですかね?」と改めて聞くと、菅氏はこう回答した。

 

「これはやはり、全員うまく収まるということはなかなか難しいですから、そういうなかで政治の責任として方向性をきちっとして、相続とか、そうしたものに困らないようにする。もう、そこまで来ているのかな、というふうに思っています。もうこれ以上、先送りはすべきではない。ただ、自民党だけじゃない、それぞれの政党の考え方がありますから。ただやはり、与党として責任をもって方向性はリードしていく。そこは大事だと思っています」

 

 2001年、自民党の有志議員が選択的夫婦別姓制度の導入に向けて議論を求めた際、菅氏も名前を連ねている。

 

「2020年11月、首相在任中の菅氏は、参議院予算委員会で共産党の小池晃書記局長からこのことを覚えているか聞かれ、『たしか、そうだったと思います』と認めたうえで、『政治家として、そうしたことを申し上げてきたことに責任がある』と答えています。

 

 この発言を受け、選択的夫婦別姓制度の導入賛成派は『選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟』を結成。設立総会には、野田聖子氏や小渕優子氏ら約70人が出席し、会長には浜田靖一氏が就任しています。一方で慎重派は『婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟』を結成。設立総会には、山谷えり子氏や高市早苗氏ら約90人が出席。会長には中曽根弘文氏が就任しました。

 

 議論は過熱しましたが、結局、2021年の4月、自民党の下村博文政調会長(当時)が菅氏に、本格的な議論を次期衆院選後に先送りすることを提案し、菅氏は了承しています。

 

 選択的夫婦別姓制度導入に慎重な党内保守派の多くが、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係性が問題視されているいまのタイミングで、菅氏が導入に前向きな発言をしたことは、慎重に発言しているとはいえ、かなり踏み込んだものといえるでしょう」(政治部記者)

 

 菅氏が選択的夫婦別姓制度に前向きな発言をしたことが報じられると、立憲民主党の蓮舫参院議員は、自身のTwitterで、《大賛成。》と反応。

 

 ネット上でも、このタイミングでの発言に賛同する声が多く上がった。

 

《選択的夫婦別姓の導入は、今、最も「反統一教会的」な政策の一つだ。それを推進することで、自身のクリーンなイメージを作れるわけで、菅元総理の上手さが際立つ》

 

《菅さんも安倍さんがいなくなって随分やりやすくなったんじゃないでしょうかね?もともと即断即決の方ですし、今回に限らずドンドン新しい提起をしていただいて、様々な議論を起こしていって欲しいと期待します》

 

《自民党が本当に旧統一教会と決別し、関係があったことを払拭したいのであれば、真っ先にやらねばならないのは選択的夫婦別姓の法制化であろうことは間違いないと思います》

 

《もう反対しているのは自民党の一部の議員だけ。きっと旧統一教会と関係の深い、自分の身を守ることに必死な方々だけだろうと思う》

 

 なかには、岸田文雄首相と比較したうえで、菅氏に期待する声も上がった。

 

《菅さんは岸田さんより政策の実行力があると思う》

 

《菅さんの優れている所は先送りをしないところなのだよね。検討使の岸田氏は正反対。先送りをしない事は今の日本の政治家にとって最も大事な資質》

 

《菅さんが総理だったほうが良かったな……》

 

《菅さん色々と叩かれてたけれど、不妊治療の費用とかワクチン関連とか頑張ってたよな…と思う》

 

 菅氏には「総理復活待望論」まで出てきているという声もある。今後の動きによっては、再び政界の中心に躍り出る可能性もある。

( SmartFLASH )

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