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中国の「コワモテ報道官」は家庭でも “戦狼” だった! DV報道と職務停止の可能性

社会・政治 投稿日:2022.08.27 14:23FLASH編集部

中国の「コワモテ報道官」は家庭でも “戦狼” だった! DV報道と職務停止の可能性

会見をおこなう趙立堅氏(写真・アフロ)

 

「米軍が感染を武漢に持ち込んだかもしれない。(米国は)透明性を持て! データを公開すべきだ! 米国は中国に説明せよ!」

 

 2020年3月、世界中で嘲笑を買った新型コロナウイルスの “米軍起源説” をTwitterに投稿したのは、中国の報道官・趙立堅(ちょうりっけん)氏。常に鋭い眼光で記者を睨みつけ、ネット上では欧米諸国を叩き続ける有名人だ。

 

 

「いわゆる “戦狼外交” という中国の外交方針を体現する象徴的な人物です。外交とは常に相手国あってのもの。基本は論争を避け、平和的で協力的な態度を示すものですが、“戦狼” はとにかく噛みつく。

 

 白い目で見られようと、中国への批判には徹底的に反論し、欧米諸国を攻撃するというスタイルです。なかでも趙氏は、2010年からTwitterを駆使して戦い続けています」

 

 そんな “戦狼” に関して、8月9日、台湾メディアで不穏な報道が流れた。『自由時報』によると、趙氏が妻を殴り、家庭内暴力を働いていることが発覚したというのだ。

 

「報道によれば、7月26日、趙立堅氏は妻とケンカとなり、妻に対し打撲傷を負わせたそうです。その後、趙氏自身も中国外交部専門の病院で診察し、薬を処方されました。

 

 北京大学第六医院の主任医師で、情緒障害治療の専門家として有名な馬燕桃医師が検査をおこなったところ、趙氏は双極性障害だと診断されたそうです。このニュースはTwitter上で拡散され、話題となりました」(中国事情に詳しいジャーナリストの角脇久志氏)

 

 さらにこのDV報道は広がり、8月12日には「趙立堅氏が停職に追い込まれた」という情報までSNSで拡散されたという。中国政府の正式発表はなく、停職の原因なども不明のままだが、上記の報道がさらに信憑性が増したことになる。

 

「当然、中国国内ではほとんどこの件は報じられていません。趙氏は “男神”(ヒーロー)と呼ばれるほどの人気ですからね。しかし趙氏のDVの背景には、やはり過剰なストレスがあったのではないか、という声が大きいです」

 

“戦狼” として戦うことを求めたのは、習近平国家主席だ。

 

「2018年8月に開かれた会合で、政治局員らは『職務経験に照らして自己批判をおこなう』よう求められ、『習主席の指示と党の主要規則・方針の率先した実行の実情』についても問われました。これはつまり、『党に対する忠誠や命令に従う意思を示せ』という圧力です。

 

 この圧力を受けて、外交部報道官は、競い合うように “忠誠心” を示すようになりました。その結果が戦狼外交です」

 

 だが、彼らの稚拙で攻撃的な投稿は、世界で失笑を買うことが多い。

 

 趙氏と同じく、外交部報道官で、報道局のトップを務める華春宝氏は、米国・ペロシ下院議長が台湾訪問することについて、「台北には(中国の山東名物の)山東餃子の店が38店もあるから、台湾は中国である」と、Twitterに投稿。

 

 これに対し、「中国にはケンタッキーが8000店あるから、中国はケンタッキー州だ」など、次々と批判を受け、赤っ恥を晒すことになった。

 

「当然、外交部にいる人たちは中国国内ではエリート中のエリート。自分たちの投稿が世界的にみてどれほどおかしなものであるのか、百も承知でしょう。彼らは忠誠を示すために無茶な投稿を繰り返し、精神をすり減らしているのではないでしょうか」(角脇氏)

 

 だからといって、妻にまで “戦狼” になることはあるまい。

( SmartFLASH )

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