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オリパラ汚職、KADOKAWA逮捕者が在籍した「2021年室」は窓際サラリーマンの “巣窟”

社会・政治 投稿日:2022.09.06 21:00FLASH編集部

オリパラ汚職、KADOKAWA逮捕者が在籍した「2021年室」は窓際サラリーマンの “巣窟”

KADOKAWAの角川歴彦会長(時事通信)

 

逮捕された2人に罪を押しつけて、会社としては逃げ切るというシナリオなんでしょうね」(KADOKAWA関係者)

 

 9月6日、東京地検特捜部は、出版大手のKADOKAWAの専務だった芳原世幸容疑者、同社「2021年室」室長だった馬庭教二容疑者を贈賄容疑で逮捕し、KADOKAWA本社や、角川歴彦会長宅を家宅捜索した。

 

「KADOKAWAは東京五輪パラリンピックで便宜を図ってもらうため、大会組織委員会の元理事である高橋治之容疑者に6900万円の賄賂を渡した疑いが持たれています。同社は、捜査に全面的に協力する姿勢を示しています」(社会部記者)

 

 

 冒頭の関係者が語る。

 

「芳原容疑者は1957年生まれ。1980年にリクルートに入社し、『カーセンサー』や『AB-ROAD』、『ゼクシィ』などの編集長を務めた後、子会社のメディアファクトリーの取締役そして社長に就任しました。

 

 2011年に同社がKADOKAWA(当時は角川グループホールディングス)に売却されてからも、角川アスキー総合研究所の社長を務めるなど、順調に出世を続けてきました。

 

 角川歴彦会長は、かねて『世襲制をやめる』と明言しており、外部からいろいろな人材を入社させてきました。芳原容疑者もその一人です」

 

 一方、1959年生まれの馬庭容疑者は、児童書・歴史書の出版社に勤務した後、1984年に転職、KADOKAWAで順調にキャリアを重ねてきた。

 

「『関西ウォーカー』など、同社の看板雑誌の編集長を歴任し、雑誌局長も務めました。『2021年室』室長を務めた後は、エグゼクティブプロデューサーの肩書を持っていました」(同前)

 

 ともに同社で出世を果たした2人だが、馬庭容疑者について、この関係者はこうも語る。

 

「馬庭容疑者が室長を務めていた『2021年室』で、『東京2020オリンピック公式プログラム』などの公式ガイドブックを編集していました。この『2021年室』は、各雑誌の編集長を経験した社員が集められていました。

 

 KADOKAWAでは、編集長は30代の若さで就任するケースがほとんど。言い方は悪いのですが、年齢的にちょっと重くて、ほかのポストが見つからない人たちが集められたと言われています。

 

 あくまでも想像ですが、馬庭容疑者は、現場の代表として電通や高橋容疑者と名刺交換をしたことはあるでしょうが、上から『オリンピックの本を作れ』と言われてやっていただけではないかと思います」

 

 賄賂とは別に、約2億円のスポンサー料を組織委員会に支払ったというKADOKAWAだが、1年開催が延期となったうえ、直前で五輪開閉会式のディレクターが解任されたことで『オリンピック公式プログラム』が発売中止になるなど、トラブルが相次いだ。

 

「KADOKAWAは、『ザテレビジョン』やタウン情報誌の『ウォーカー』はナショナルブランドの広告が入りにくく、もともと電通などは相手にしてくれませんでした。グループの規模は大きいのですが、ブランドが弱いんです。

 

 だから、所沢市と組んだ『ところざわサクラタウン』もそうですが、自治体や国と組んだ大規模なプロジェクトに積極的に関わる方針なんです。電通を意のままに動かす高橋氏と組んで、五輪のスポンサーになるというのは、KADOKAWAにとって悲願だったんでしょうね」

 

 五輪のスポンサーの座は手にしたが、その代償はあまりに大きかった。

( SmartFLASH )

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