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岸田首相 5万円給付は2年前の“意趣返し”コロナ給付金で公明党相手に大失態の“トラウマ”過去が
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.07 19:14 最終更新日:2022.09.07 19:22
9月6日、政府は物価対策のひとつとして、住民税非課税世帯へ1世帯あたり5万円の給付金を支給する方向で調整に入った。
ネット上では「なぜ一律給付ではないのか」といった批判の声が挙がっているが、岸田文雄首相はこの政策が実現しそうなことに、久しぶりに上機嫌になっているという。
「岸田首相は、就任以来『聞く力』をアピールしてきたものの、その結果『検討使』と揶揄されるなど、決断ができないというレッテルを貼られてきました。
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総理はこの状況に我慢ができず、決断できる姿勢を見せようと、国葬、内閣改造と矢継ぎ早に決定をしてきたのですが、これらがことごとく裏目に出ているのです」
そう語るのは、ある内閣官房関係者だ。
「そこで、なんとか内閣支持率が上向くように、と岸田首相が考えついたのが、今回の臨時給付金なんです。じつは今回の給付金は、2020年に岸田首相が自民党政調会長だったときの“トラウマ”を克服する意味があるのです。
当時は、コロナで困窮している世帯を助けようと、岸田政調会長が住民税非課税世帯への30万円給付をまとめあげ、閣議決定まで通しました。しかし、これに公明党が反発し、一律10万円の給付になったわけです。
閣議決定は、全閣僚の一致を原則とする国としての意思決定ですから、これが覆るというのはあり得ないことです。これは政調会長としては大失態で、このとき、永田町では『岸田は終わった』とまで言われていました」
今回の給付金は、30万円が5万円に減額されただけで、基本線は同じ構図だというのだ。
「しかし今回、岸田首相はすでに公明党の了解を取り付けているのです。9月2日、首相は公明党の山口那津男代表と会談しており、その場でこの話を持ちかけました。
『10万円給付の範囲が適切だったか、効果がどうだったかの検証もまともにできていないなかで、本当にやるべきなのか』と釘を刺されたそうですが、かつての意趣返しとばかりに総理がごり押しし、通したのです」(同前)
政権の支持率低下に打つ手がないなか、公明党もしぶしぶ、OKしたという。
「岸田首相にとってみれば“トラウマ”を克服したということで、上機嫌そのものです。給付金には予備費が充てられるのですが『切り札はないが、札(さつ)はある』と、嬉しそうに冗談を言っていたそうです。
国会の事前審議の必要がない予備費、つまり“お札(おさつ)”はたっぷりとあるという意味なのでしょう。しかしこの策は、バラ撒きというそしりを免れません。山口代表が効果の検証を求めるのも、もっともです」(同前)
岸田首相は笑顔のようだが、5万円の給付金では、もらったほうも支持率の上昇効果も、その場しのぎにしかならないだろう。
( SmartFLASH )