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ディカプリオ映画『ザ・ビーチ』で原状回復命令…無人島の楽園に1日6000人が訪れゴミが山積みに

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.15 17:50 最終更新日:2022.09.15 17:50

ディカプリオ映画『ザ・ビーチ』で原状回復命令…無人島の楽園に1日6000人が訪れゴミが山積みに

マヤ湾に殺到した観光客(写真:AP/アフロ)

 

 9月13日、タイの最高裁判所は、米人気俳優レオナルド・ディカプリオ主演の大ヒット映画『ザ・ビーチ』(2000年)の撮影により、ロケ地となった南部ピピ・レイ島のマヤ湾で自然が破壊されたとして、撮影を許可した政府に原状回復を命じる判決を出した。

 

 撮影した映画会社「20世紀スタジオ(20世紀フォックスから改名)」は、仲裁裁判所から復旧費として地元当局に1000万バーツ(約4000万円)を支払うよう命じられている。判決を受け、タイ政府は今後、具体的な復元計画を策定することになる。

 

 

「1997年に公開された『タイタニック』で一世を風靡したディカプリオが出演を決めたとあって、『ザ・ビーチ』は大きな注目を集めた作品でした。

 

 海外から東南アジアに楽園を求めてやってきたバックパッカーたちが、自国では許されないことを平然とやってしまうことを批判する意味も込められた作品です。

 

 ところが、1998年に撮影許可を得ると、ビーチを広く見せるためにヤシの木を60本植え、重機を投入し、砂丘の植物を引き抜くなど、大規模に自然を破壊したとして物議を醸したのです」(映画評論家)

 

 ロケ地となったマヤ湾は、無人島だったこともあり、それまでほとんど知られていない場所だった。

 

「『ザ・ビーチ』が世界的ヒットとなったことで、日帰りを含め、1日最大6000人、累計で数百万人が訪れ、年間15億円以上の収益を生み出す観光スポットになったと、イギリスの新聞『ガーディアン』が報じています。

 

 その結果、観光客が捨てたゴミが山積みとなり、生態系が破壊されたことで、地元当局は2018年6月からマヤ湾の閉鎖に踏み切りました。

 

 コロナ禍を経て、2022年1月から1時間あたり最大375人に入場制限して部分的に開放されましたが、再び閉鎖。2022年10月1日に再開放される予定でしたが、今回の判決で先行きが不透明になりました」(同)

 

 映画では、楽園に人が押し寄せ、存続がままならなくなることへの危惧も描かれていた。撮影だけでなく、映画の大ヒットでも生じた自然破壊。今回の判決は画期的だが、なんとも皮肉な結果となってしまった。

( SmartFLASH )

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