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岸田首相に萩生田政調会長が高級ステーキ店で直談判「経済対策は党主導で」目論む“旧統一教会問題”からの信用回復
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.20 16:30 最終更新日:2022.09.20 16:30
9月14日、東京・六本木。あるグルメサイトでは、ディナーが「2万円~2万9999円」の価格帯と案内されている高級ステーキ店に、岸田文雄首相と萩生田光一・自民党政調会長の姿があった。
時事通信の調査で、32%という政権発足後最低の支持率が報道されるのはその翌日、15日のことだが、2人が強い焦りを感じていたことは間違いない。なお、19日に毎日新聞が報じた支持率は、29%にまで低下している。
この日、2人が会食した目的は、10月3日に召集される秋の臨時国会に向けてのためだ。
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「この臨時国会は、8月の内閣改造後、初めての国会となります。物価の高騰を受けて、補正予算を組んでの総合経済対策や、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と政治家との関係について、論戦が繰り広げられる見込みです」(政治部記者)
2人は何を話し合ったのか。ある内閣官房関係者が語る。
「この経済対策は、2021年度でいえば30兆円規模にもなります。通常、経済対策については政府が大枠の項目立てをし、それを自民党に下ろして議論を進めてもらうという段取りで進めています。
しかし、14日の会食で萩生田政調会長は、岸田首相に『今回の経済対策については、自民党でやらせてほしい』と直談判したのです。
岸田首相は当然、経済対策は自らの指示のもと、政府でおこなうべきだと考えていました。本来、経済対策のための補正予算案の編成は政府主導でやるべき話で、岸田首相も、最初は萩生田政調会長の要求を拒みました」
萩生田政調会長自身、生稲晃子参院議員を旧統一教会の関連施設に連れて行ったことで、窮地に立たされたばかり。今回の直談判には、自身の進退をかけて臨んだという。
「萩生田政調会長は『旧統一教会問題で党が傷んでいます。自民党として、30兆円規模の経済対策に道筋をつければ、離れつつある中小企業などに“やはり自民党はすごいんだ”と見せつけることができます』と食い下がったそうです。
そして、この自民党主導案が通らないのならば、政調会長を辞めることをちらつかせたようです。
もしそんなことになれば、萩生田政調会長を使って、最大派閥である安倍派をグリップしようという岸田首相の思惑が外れ、ただでさえ難しい党内運営に綻びが生じるのは必須です。
これを言われると、さすがに岸田首相も堪らなかったようで、折れてしまいました」(前出・内閣官房関係者)
最近の岸田首相は、安倍晋三元首相の国葬や旧統一教会問題などでの決断が、ことごとく裏目に出ていることで、かなり自信を失っているという。そして今回も、萩生田政調会長に押し切られた格好の岸田首相の“決断”は、官邸内を落胆させた。
「30兆円規模の経済対策を党に言われてやった、ということでは政府のメンツは保てません。萩生田政調会長は党のことを口実にしていますが、実際は総理から言質を得ることで、自身の信用の回復や、健在ぶりのアピールにつなげようとしているのでしょう。
党主導で経済対策をおこなったとなれば、前任の政調会長である高市早苗経済安保相と比較して、萩生田氏の実績になりますから」(前出・内閣官房関係者)
ステーキ会食の翌日、萩生田政調会長は党幹部らが集まった会合で、物価高や円安などの要因を挙げ、「昨年よりもきめ細かい対応が必要だ」と、2021年の30兆円を上回る補正予算案の編成が必要だと語った。
“決断ベタ”の首相をしり目に、側近たちが好き放題をしはじめた。
( SmartFLASH )