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岸田文雄首相「分配」外し、目標掲げず…“お願い”物価高ばかり進む始末で「この前まで『所得倍増』って言ってましたけど」

社会・政治 投稿日:2022.10.05 18:06FLASH編集部

岸田文雄首相「分配」外し、目標掲げず…“お願い”物価高ばかり進む始末で「この前まで『所得倍増』って言ってましたけど」

10月3日の所信表明演説の前に、岸田首相は林芳正外務大臣と言葉を交わしていた

 

「政府としては、来春の賃金交渉において、物価上昇をカバーする賃上げを目標にして、個々の企業の実情に応じて労使でご議論いただきたいと思います」

 

 10月4日、岸田文雄首相は官邸でおこなわれた「第10回新しい資本主義実現会議」で、こう“お願い”した。

 

 2021年10月に発足した岸田政権の肝いり政策だった「新しい資本主義の実現」。新自由主義の行きすぎた部分を是正し、経済の成長と分配の好循環を目指しているという。

 

 

「そのための軸となるのが『賃上げ』です。賃上げをたんなる経費増と考えるのではなく、『人への投資』だと思ってほしい、といったことを岸田首相は何度も述べています」(政治部記者)

 

 2021年10月26日におこなわれた「第1回」の会議では、

 

「成長と分配の好循環が重要との認識を共有できました。そうした目標の実現に向けて、官と民がともに役割をはたしながら、あらゆる政策を総動員していく必要があることも共有できたと考えます」

 

 と話していた岸田首相。「第2回」「第3回」でも賃上げ議論を進め、「(2022年の春闘では)3%を超える賃上げを期待」と、具体的な目標を掲げて施策も明かしていた。

 

 そのひとつが「賃上げ促進税制」の改正だ。

 

 2022年4月から、賃上げをおこなった企業の法人税控除率をアップさせたのだが、日本経済の多くを占める「赤字の中小企業」は、そもそも法人税を支払っていない。そのため、賃上げへの効果が薄いのでは、との指摘が上がっている。

 

「施策について指摘が上がるなかで、岸田首相は久々に『新しい資本主義実現会議』で、賃上げについて言及しました。しかし、それが“あとは労使でお願いしたい”だけとは……」(前出・政治部記者)

 

 皮肉なことに、2022年8月の全国消費者物価指数は前年同月比で2.8%上昇。物価変動を考慮した実質賃金は、7月までで4カ月連続で前年同月比でマイナスを記録している。

 

 こうした実態について、岸田首相が自民党総裁選で公約に掲げていた「令和版所得倍増計画」を引き合いに出して、呆れる声が上がっている。

 

《所得倍増計画とは企業に賃上げ圧力をかけることなんですかね》

 

《この人、この前「所得倍増」って言ってましたよーーー!》

 

《所得倍増と言いながら話をコロコロ変え賃上げ3%?とは》

 

 10月3日の国会で述べた「所信表明演説」では、ついには「分配」の文字が消え、10月4日の「第10回新しい資本主義実現会議」では、賃上げの数値について言及しなかった岸田首相。

 

 方針転換でないことを祈りたいが……。

 

 写真・長谷川 新

( SmartFLASH )

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