10月7日、グーグルは日本のネットワークインフラに総額1000億円を投資する計画を発表した。千葉県印西市に日本で初のデータセンターを建設中で、2023年に稼働を始めるとしている。
このニュースでにわかに注目を集めることになったのが「印西市」だ。
「近年はベッドタウンとして人気も高まっている印西市ですが、IT業界ではデータセンター(DC)が集まる『DC銀座』として有名です。近年は海外企業向けの大型DCが続々と建設されており、アマゾンのDCも印西にあるんです。いまや海外でも『INZAI』の名は知れ渡っています。
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DCは、サーバーやネットワーク機器を収容する施設のことですから、現在の企業にとっては生命線ともいえる存在です。そのため、地震などの災害にも耐える必要があります」(IT系ライター)
印西市は千葉県北部にあり、南東部に印旛沼、北西部に手賀沼、北部を利根川が流れている。しかし市の大部分は、標高20~30メートルの平坦な台地にある。DCが多く集まる北総線・千葉ニュータウン中央駅周辺も、その大地の上に位置している。
「だいち災害リスク研究所所長」で “地盤災害ドクター” の横山芳春氏がこう説明する。
「千葉ニュータウン周辺は下総台地の平坦地にあり、地盤もよく、災害リスクも低い土地にあたります。この付近の下総台地の地盤は、10数万年前にできた締まった砂層と、安定した関東ローム層の地盤からなっています。地震の揺れが増幅されづらく、液状化も発生しにくい特徴があります」
さらに、海から離れた内陸にあるため津波の心配もなく、水害のリスクも少ないという。
「DC銀座」となった理由は、災害リスクが低いからだけではない。
「東京都心から約40km、成田空港から約15kmという立地で、アクセスが良好です。
また、アメリカなど海外と結ぶ海底ケーブルの陸揚げ拠点である茨城と、東京の通り道にあることも大きい。DCは非常に多くの電力を消費しますが、2023年に東京電力の超高圧変電所ができるなど、インフラも充実しているのです」(前出・ITライター)
2022年3月に大東建託が発表した「子育て世帯の街の住みここちランキング2021<首都圏版>」で、印西市は東京都中央区に次いで2位。アマゾンやグーグルなども太鼓判を押す、「安心して暮らせる街」だったのだ。
( SmartFLASH )