10月26日に開かれた「政府税制調査会」(首相の諮問機関)では、参加した複数の委員から「消費税率アップの議論をすべきだ」との意見が相次いだ。
「未来永劫、10%のままで日本の財政がもつとは思えない」
「今後の高齢化の進展に合わせて、遅れることなく、消費税率の引き上げについて考えていく必要がある」
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10月28日、安倍晋三内閣で内閣官房参与を務めた、京大大学院の藤井聡教授が自身のTwitterにこう書きこんだ。
《岸田内閣は30兆円規模の経済対策をまとめると同時に政府税調を使って消費税引き上げるべきだとの主張を開始.これでは日本復活どころか後進国化/植民地化がさらにさらに加速するのは確実.これでは日本の政治の中枢が今、恐るべき愚者達に占拠されているとしか思えません》
同じく10月28日、Twitterでは、岸田首相の約1年前の発言が拡散した。2021年9月18日、自民党総裁選の候補者討論会での発言だ。
「(消費税は)10年程度は上げることを考えていない」
「すぐに増税で財政を埋めることは考えていない」
この発言がTwitterで拡散すると、岸田首相を批判する声が巻き起こった。
《まだ一年しか経っていないが》
《1年でコロッと変わったわけだ》
《なんだよ岸田、サイテーだな》
《コロコロ考えが変わるのは危険》
「消費税アップ」の議論だけではない。一般会計歳出規模29.1兆円の「総合経済対策」を岸田首相が誇らしげに発表する一方で、この1週間で、負担増につながる政策が次々に提示された。
10月25日に始まった社会保障審議会(厚労省の諮問機関)の部会では、国民年金の保険料の納付期間を5年間延長する議論をする予定だ。現行の納付期間は20歳から59歳までの40年だが、これを64歳までの45年間に延長する案だ。
また、10月28日の社会保障審議会の部会では、国民健康保険(国保)の保険料について、2023年度から年間上限額を2万円引き上げ、年間104万円とする方針が了承された。3万円引き上げた2022年度に続いて2年連続となる。
実業家のひろゆき氏は10月28日、自身のTwitterでこう苦言を呈した。
《国保保険料、上限2万円引き上げへ。「労働者は、生かさず殺さず。」 国民の約3割が年金の受給権者。そのうち、労働者が少数派になって多数決で搾取され続ける国になるのかな?》
「聞く力」を誇るゆえ、「負担増」の議論に引っ張られがちな岸田首相。1年前の自身の発言を思い出し、増税論議を抑えつけてほしいものだ。
( SmartFLASH )