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党大会で“強制退席”の胡錦濤、中国SNSで動画が続々削除の怪…評論家は「軍部クーデター」の可能性を指摘
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.11.02 09:01 最終更新日:2022.11.02 09:09
まるで『映像の世紀』に出てくるワンシーンのようだ。
事件は10月22日、第20回中国共産党大会の閉幕式で起きた。
「習近平国家主席の隣に座っていた胡錦濤前国家主席が、関係者によって“強制退席”させられました。席を立つように促された胡錦濤は、机を掴んで抵抗を示したものの、脇を抱えられ、連れ出されたのです」(現地記者)
いったい何があったのか。中国事情に詳しいジャーナリストの角脇久志氏が語る。
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「胡錦濤は中国共産主義青年団出身の開明派で、習近平の一派とは距離があります。同じ派閥に属する李克強首相らが新指導部から外れましたが、“イエスマン”以外を排除する狙いがあるのでしょう。実際、中国問題の専門家・江峰氏は、胡錦濤は机上にあった、新しい中央委員の名簿を見ようとして、退席させられたと分析しています。この名簿には、前日までに胡錦濤ら長老たちとの協議で決まったメンバーとは違う名前が載っており、胡錦濤らが推していたメンバーが排除されていたそうです。これが事実であれば“騙し討ちの政変”だといえます」
“政変”は成功し、習近平は異例の3期めへと突入した。恐ろしいことに“目障り”な胡錦濤は、中国国内の表舞台から存在を消されつつある。
「中国では今回の退場劇はなかったことにされ、ネットで検索しても出てきません。報道規制のためか、SNS上の胡錦濤に関係する投稿が、次々と消されている可能性もあります」(現地在住のジャーナリスト・もがき三太郎氏)
さらに驚くべきことに、’08年の北京五輪の開会式の動画にすら“異変”が起きている。
「IОCの公式動画には、開会式の冒頭で挨拶をする、当時総書記だった胡錦濤の姿が映っているのですが、中国の動画サイトにアップされているバージョンでは、不自然に当該シーンがカットされているんです。中国初の五輪開催は胡錦濤の大きな功績だったのですが…」(角脇氏)
本誌が確認したところ、胡錦濤氏が挨拶するシーンは、スタジアムの内観を映したシーンに差し替わっていた。
「今回の強権的な人事には、人民解放軍も不満を持っています。今後、突発的なクーデターが起こる可能性すらある」(評論家・宮崎正弘氏)
次に“消される”のは誰になるか…。