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有田芳生氏の「叙勲お断り」に賛否 過去にもあった勲章・国民栄誉賞辞退者たちの「それぞれの理由」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.11.04 16:29 最終更新日:2022.11.04 16:42
元参院議員で、ジャーナリストの有田芳生氏が11月3日、自身のTwitterを更新。
《秋の叙勲が公表されました。私にも「旭日重光章」を授与すると政府から連絡がありましたが、丁寧にお断りしました。「国家」から何ものかをいただく価値観はないからです。》
と投稿した。SNSでは
《有田氏の男気!!カッコ良過ぎて泣けてきます》
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《見事な決断!》
と、有田氏を称える声がある一方で、
《そもそも有田氏にどんな功績があったっけ、、、》
《断るのは自由ですし、敬意を表しますが、それを自ら言うかどうかはご本人の徳が表れます》
との声も多数あり、賛否両論が巻き起こっている。
じつは、著名人が叙勲や、国家からの贈賞を拒んだ例は、過去にいくつもある。
総理大臣経験者では、細川護熙氏が叙勲を辞退。回顧録には「かくの如きこと、我が最も好まざるところなり。叙位叙勲勲章葬式戒名など晴れがましく且つ煩わしきものは、わが存命中、没後たるを問わず、すべて拒否、辞退する」「それにしても勲章の如きものに人は何故かくも執着するのか。真に世の為、人の為に陰ながら尽した人を顕彰するは結構なることなれど、既に功成り、名遂げたる高位、高官の物欲しげなる態、誠に見苦しきものなり」との記述がある。
文学界では、ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎氏が、文化勲章を辞退している。その理由を「民主主義に勝る権威と価値観を認めないから」と、インタビューで語っている。
女優の故・杉村春子さんも、文化勲章を辞退している。「女優が勲章など、頸にぶらさげていられますか」と語っているが、戦前に新劇が政府から迫害を受けたことへの抗議とも見られている。
叙勲ではないが、国民栄誉賞を辞退した人もいる。
「そんなものをもらったら、立ち小便もできなくなる」と断ったのは、盗塁王の福本豊。1983年にメジャーリーグの記録を超える939盗塁を記録。当時の中曽根康弘首相から打診を受けたが、辞退。その後、プロ野球からは、イチロー、大谷翔平も辞退している。
2020年に放送されたNHK朝ドラ『エール』のモデルとなった作曲家の古関裕而(こせき・ゆうじ)さんも、そのひとり。古関さんが亡くなった1988年に打診があったが、遺族が辞退している。その理由は「元気に活動しているときならともかく、亡くなったあとに授与することに意味があるのか」と疑問を持ったこととされている。
さまざまな価値観、考え方があるが、「筋を通す」のもひとつの生き方だろう。
( SmartFLASH )