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アメリカが北朝鮮攻撃をためらう最大の理由は「秘密トンネル」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.06.23 16:00 最終更新日:2017.06.23 16:00
「望んでいない戦争ではあるが、我々は大きな犠牲を払って勝つだろう」
6月中旬、米下院で、北朝鮮との戦争の可能性について質問されたジェームス・マティス国防長官はこう発言した。
連日、ミサイルを発射し続けた北朝鮮。万が一アメリカに先制攻撃を仕掛けられたら、北朝鮮は一体どんな行動に出るのだろうか。
一つの可能性として指摘されるのが、北朝鮮が地下に作っているとされる秘密トンネルを使った大規模な反撃だ。
5月21日、アメリカの『Millitary Times』は、オランダの北朝鮮専門家の話として、秘密トンネルによって1時間に2万人の兵士を韓国に送り込むことが可能とした。
秘密トンネルの存在が初めて明らかになったのは、1978年。1990年までに、韓国によって4つのトンネルが発見されている。これに対し北朝鮮は、トンネルは侵略のためではなく鉱山資源を採掘するためと主張している。
米CNNは、2014年、秘密トンネルに関する報道でソウルの元韓国軍将校に取材し、
「地下鉄などがない場所にも関わらず住民が振動を訴えた。調べ始めたところ、地下で爆発が起き、調査が妨害された。すぐ下に北の兵士がいたに違いない」との声を取り上げている。
CNNはソウルまでトンネルが伸びている可能性は低いとしているが、韓国政府は非武装地帯にはまだ見つかっていない十数個のトンネルが存在していると判断している。
前述の「Millitary Times」は、この秘密トンネルこそが、アメリカが先制攻撃できない理由の一つだと主張する。
いざアメリカが北朝鮮を攻撃すれば、大都市ソウルに北の兵士がなだれ込む可能性がある。ソウルは非武装地帯から50キロほどしか離れておらず、2500万人が住む。
北朝鮮から突発的に攻撃が始まれば、パニックになって南に逃げる市民たちで交通網は麻痺し、大規模な人命被害が起こってしまう。しかも、この規模での市街戦をアメリカは経験しておらず、戦闘の長期化が避けられない見通しだ。
空母を派遣するなど、北朝鮮への圧力を強めるアメリカ。しかし、北朝鮮の掘削技術を前に、為す術がないのかもしれない。