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読売テレビが番組素材を紛失「尼崎データ紛失事件」を批判したはずが「自分たちの甘さが招いた事故」厳しい批判

社会・政治 投稿日:2022.12.13 21:00FLASH編集部

読売テレビが番組素材を紛失「尼崎データ紛失事件」を批判したはずが「自分たちの甘さが招いた事故」厳しい批判

大阪市中央区の読売テレビ本社(写真・時事通信)

 

 12月12日、大阪テレビ局である読売テレビは、スタッフが、未放送の番組の映像素材が入った記録媒体を、10日に紛失していたと発表した。

 

 発表によれば、記録媒体はスタッフ個人の所有物。間寛平たむらけんじなどが出演する『大阪ほんわかテレビ』の収録された番組取材などが入っており、スタッフが電車内で居眠りしている間に、盗難された可能性が高いという。スタッフは警察に遺失物届を提出している。また、記録媒体にはロックがかかっておらず、内部の情報へは簡単にアクセスできる状態になっている。

 

 

 多くの企業では、社内の資料を外部に持ち出す際、個人所有の記録媒体の使用を禁止したり、そもそも持ち出し自体を禁止したりするなど、情報漏洩への対策を取っている。もちろん、同社もそのようなルールを設定していたが、それが守られていなかった。同社は「番組制作にご協力いただいたみなさま、関係者のみなさまに深くお詫びいたします。番組映像素材に関する社内ルールの徹底や管理の適正化を図り、再発防止に努めてまいります」とコメントした。

 

「今回、紛失した番組素材には、芸人によるバラエティ番組のほか、音楽番組の素材も含まれています。本来、ミュージシャンが完成させていない素材の状態の作品が、外部に漏洩するなど、あってはならないことですが、今回、まさにそのような状況になってしまったわけです。悪意ある人間が流出させる可能性もあり、そうなると放送局の信頼そのものが崩れます。現在、放送局は関係先に謝罪に回っているようです」(放送専門誌ライター)

 

「データ紛失」で思い出されるのが、2022年6月、兵庫県尼崎市で起きた「USB紛失事件」だ。全市民、約46万人の個人情報が入ったUSBメモリを、市から業務再々委託を受けた社員がカバンごと失くしてしまった、というもの。この社員は居酒屋で飲んだ後に路上で寝てしまい、起きて気づいたらカバンがなくなっていたという。

 

 数日後、データは発見され、情報が漏洩した形跡もない、と、尼崎市は発表した。しかしこれに噛みついていたのが、同じ関西のテレビ局である読売テレビだった。朝の情報バラエティ番組『あさパラS』では、解説委員長の高岡達之氏がこう苦言を呈した。

 

《(USBが)見つかりましたが、すごく気になるのは、「見つかりました」の過去形で記者会見してるんですよ。だけど、見つかりましたけども、データのコピーを取られて、置いておかれたという可能性がゼロではない》

 

《見つかったから安心というのを、なくした側が記者会見で言うのはちょっと違和感が強いんですけど》

 

 今回、読売テレビ自体が「データ紛失」という事件を起こしてしまったことに、ネットでは厳しい意見が寄せられている。

 

《他人事には批判する癖に、自分達の映像資料管理の甘さが招いた事故ですね。外注委託や自宅での作業など、セキュリティー面では規則もある筈だが、馴れ合いでいい加減な管理が常態化している証です。》

 

《市の職員や取引会社社員が酔っ払って個人情報の入ったカバンを無くした、ってニュースがあってテレビ局のワイドショーやバラエティー番組ではさんざん文句を言ってたけど、まさか自分らがやっちゃったとは。》

 

《情報をあずかる者としてあまりにも杜撰で企業のコンプライアンスと責任感を疑います。これは単なるミスで済まされないでしょう》

 

 くしくも12月12日、尼崎市の事件では、第三者委員会の調査報告書が公表され、協力会社は幹部の処分を発表した。軽い気持ちでのデータ持ち出しが、とんでもない事態を招くのだ。

( SmartFLASH )

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