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ゴルゴ13も驚く「世界最高のスナイパー」はカナダ兵
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.06.28 20:00 最終更新日:2017.06.29 03:35
2017年5月、スナイパーの世界記録が更新された。カナダ軍はイラクで活動中の特殊部隊「JTF-2」のスナイパーが、3540メートル離れた場所にいるIS兵士の狙撃に成功したと発表した。
これまでは2009年のアフガニスタンで確認された、イギリス軍のスナイパーが出した2475メートルの狙撃が最高記録だった。今回はそれを1000メートル以上も上回ったことになる。
カナダの「グローブ・アンド・メール」紙によれば、今回使用されたライフルはアメリカのマクミラン社製TAC-50。アメリカ海軍特殊部隊をはじめ、フランス、イスラエル、トルコなど多くの国で採用されており、有効射程距離は1800メートル。今回はその約2倍だ。
今回の世界記録更新で注目を浴びたカナダ軍だが、実は狙撃の世界記録ベスト5にはカナダ人が3人もランクインしている。なぜこんなにもカナダは優秀なのか。
米ウェブメディア「VOXMEDIA」は、カナダ軍で19年間、狙撃兵を務めたオリバー・クロムウェル陸軍士官に話を聞いている。
「狙撃手になるためには、まず偵察について学ぶ必要がある。さらに狙撃手のコースにはレベルに応じて3段階あり、それぞれ8~10週の訓練が必要となる」
狙撃を成功させるために必要なのは、「95%の技術と5%の運だが、それには数え切れないほどの訓練と経験がものをいう」と話す。
2000メートルを超えるような長距離の狙撃が、なぜ可能になるのか。実は、狙撃にはスポッターと呼ばれる助手が欠かせない。スポッターは、ライフルに搭載されたものよりはるかに高精度のスコープで周囲を観察し、敵の状況や風速などを狙撃手に伝える。
「スポッターは狙撃手の状況まで考えねばならず、もし外した場合どうするか、逃げるのか、撃ち直すのかまで考えなければならない」とオリバー士官は話す。
長距離の狙撃では、気圧や温度、風、さらには地球の丸みまで考慮しないと成功できない。漫画のゴルゴ13は一匹狼の凄腕スナイパーで、どんなターゲットも仕留めてきた。しかし実際の戦場では、狙撃はチームプレイにかかっているようだ。