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「殺人逮捕」長野県議に月給81万円+冬賞与130万円! 事件で露見した「長野県は議員たちに甘すぎる」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.20 19:15 最終更新日:2022.12.20 19:15
2021年9月に長野県塩尻市内の自宅兼酒蔵で、妻の希美(のぞみ)さん(当時47)を殺害した疑いで、2022年11月末に逮捕された長野県議会議員の丸山大輔容疑者(48)。長野地検は12月20日、同容疑者を起訴した。
12月18日、所属していた自民党長野県連は、丸山容疑者を党規約に基づき「除名処分」とした。県連事務局長がこう語る。
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「12月16日に党規委員会で検討しまして、除名処分という形を取らせていただきました。昨年、(丸山容疑者の)奥様が亡くなられたときから、この状況はまったく想定しておらず、県連としても困惑しております。
議員辞職に関して、県連から要請することはありません。(丸山容疑者は勾留中のため)連絡も取れず、現在では様子を見ている状態です」
丸山容疑者は、あくまでも自民党から除名されただけで、現在も長野県議の地位にある。党からの政策活動費の支給は停止されたが、県から支払われる議員報酬について県議会の事務局に問い合わせると、このような回答があった。
「長野県では、議員が逮捕された場合に議員報酬を停止する条例はありません。現在も、(丸山容疑者には)議員報酬は支払われています」(長野県議会総務課長)
長野県議の議員報酬は月額81万3000円だという。ボーナス額は「複雑な計算がありますが……月額の1.6カ月ぶんほどだと思います」(前出・総務課長)とのこと。丸山容疑者のこの冬のボーナス額は、130万円超になる計算だ。
多くの地方自治体では、議員が逮捕や勾留された場合に議員報酬を一時差し止めや減額できる条例を定めているが、長野県では制定されていない。議員報酬の返還を求めることもできないという。
長野県が本籍地で、地元議員の知人も多いという政治ジャーナリストの宮崎信行氏は、こう語る。
「そもそも、長野県議の81万円という報酬額は、非常に高額です。国会議員でも月200万円前後、長野県では軽井沢町議会議員で約26万円です。しかも、県議会の開催日数は、国会の5分の1程度です。
長野県民の無関心が、世間とのずれを招いてきたのかもしれません。立候補者も少なく、2019年の県議選では過去最少となりました。この悪循環が、議員報酬に関する条例の不備に繋がっているのだと思います。県議会の議決があれば、逮捕・勾留された議員の報酬を法務局に全額供託できるようにする法改正も検討すべきです」
2023年4月の県議選への出馬表明もしていた丸山容疑者。その実現可能性はほぼなくなったが、長野県議会には大きな課題が残されている。
( SmartFLASH )