社会・政治
玉木雄一郎氏が見た安倍晋三氏“結婚式の十八番”「幸福の秘訣は妻に降伏」論戦とは別顔【政敵が明かす美談】
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.23 06:00 最終更新日:2022.12.23 06:00
突然の凶弾に命を奪われた安倍元首相。強権的な姿勢で最長政権を築いたリーダーはどんな人間だったか。政敵たちが見た素顔を語る。
「私が初めて当選したとき、民主党は与党でしたが、下野以降、総理大臣はずっと安倍さんだったんですよ」
安倍氏と国会で多くの論戦を繰り広げた玉木雄一郎氏には、思い出に残っている場面が2つあるという。
【関連記事:安倍晋三元首相、引退後の夢は「映画監督」…好きな作品は『ゴッドファーザー』『三丁目の夕日』】
「ひとつは、私が初めて党首として臨んだ党首討論です。せっかくなので大きなテーマにしようと、日米関係、日露関係について取り上げました。すべての議論が終わると、安倍さんが私に歩み寄り、握手を求めてきました。
そのとき、北方領土交渉について耳打ちされたんです。私が指摘したことに、我が意を得たりと思ったのかもしれません。2島先行返還に方針を変えるという経緯もあり、安倍さんは悩んでおられたのでしょう。
その後、安倍さんと握手をしたことは、ほかの野党から批判されましたが、非常に響き合った瞬間だったと思います」
もうひとつは、安倍氏が首相を辞任した後のこと。
「私はアベノミクスのいちばんの失敗は、2番めの矢である財政政策が中途半端だったことだと考えています。それが、いまだに日本が経済回復できない原因のひとつなので、積極財政に転換することが必要なんです。
総理を辞められた後に、いろいろな会合で会ったり、エレベーターでご一緒したりしたときに、何度もその話をしました。すると安倍さんは『いやぁ?、そうなんだけど、玉木さんの古巣が厳しいからね』と笑いながらおっしゃって(笑)。非常に明るい人でしたよね」
●「ネバーサレンダー」でも昭恵さんには降伏していた(笑)
“仕事” 以外での安倍氏との思い出を尋ねると、こんな一幕を披露してくれた。
「基本的に人を楽しませようとする人でした。鈴木貴子さん(衆議院議員)の結婚式で祝辞を述べられてね。(ウィンストン)チャーチルが人生の最後に綴った3つの願いがあるという話をされて。もし生まれ変わってこの世に生を受けることができたら、ひとつめは誇り高き大英帝国の一員として生まれてきたいと。ふたつめは、我が愛すべきチャーチル家の一員として生まれてきたいと。最後にクレメンタイン、君と結婚したいと語ったということにふれ、『生まれ変わってこの世に生を受けたら、また貴子さんと結婚したい、と思いを伝えてほしい』と(笑)。
別の結婚式では、『幸福の秘訣は妻に降伏することだ』と演説していましたね。『ネバーサレンダー』とよくおっしゃっていましたが、昭恵さんには降伏していたと思います(笑)。もちろん、論戦を交わすときはお互い厳しくやりますが、ふだんは穏やかでおもしろい人でしたね。ダジャレや場が和むようなことを、よくおっしゃっていました」