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岸田首相「法人税増税」「賃上げ」のダブル要求 企業に丸投げの姿勢にSNSでは「意味不明」のツッコミが

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.24 17:42 最終更新日:2022.12.24 17:46

岸田首相「法人税増税」「賃上げ」のダブル要求 企業に丸投げの姿勢にSNSでは「意味不明」のツッコミが

 

 12月23日、岸田文雄首相は、企業関係者らが集まった東京都内での講演会で、防衛費増額に伴う財源の一部を法人税などの増税で賄う政府方針に理解を求めた。「将来世代に先送りすることなく、われわれの責任として対応すべきだ。経済界の皆さま方にも理解いただきたい」と述べた。

 

 一方で、成長と分配の好循環の鍵を握るのは賃上げだとして「物価高に負けない賃上げをぜひ実現していきたい」とも語ったという。共同通信が報じた。

 

 

 ジャーナリストの有本香氏は同日、自身のTwitterにこの記事を貼りつけたうえで、こう書きこんだ。

 

《「増税するから賃上げしろ」 岸田総理、正気で言ってますか?》

 

 作家でジャーナリストの門田隆将氏も12月24日、同じく自身のTwitterにこう書きこんだ。

 

《昨日の岸田首相の講演には仰天。企業家達を前に防衛費増に伴う法人増税に理解を求め「将来世代へ先送りせず我々の責任として対応すべき。成長と分配の好循環の鍵を握るのは賃上げだ。物価高に負けない賃上げの実現を」と。その賃上げにブレーキを踏んだ事がまだ分ってないの?》

 

 法人税増税に理解を求めるとともに、賃上げの実現を要請する岸田首相の姿勢に、SNSではほかにも《意味不明》とツッコむ声が上がった。

 

 防衛費増額の財源の一部を法人税の増税で賄う方針については、12月19日、日本経団連の十倉雅和会長が記者会見で「結果的にやや法人税に偏っている」と苦言を呈したうえで、「支払う税金が増えるのは痛いが(賃上げなどを)あきらめるということではない」と語った。

 

 政府は、防衛費増額の財源として法人税、所得税、たばこ税の増額で1兆円強の財源を確保する方針だ。所得税は、税額に1%を上乗せして防衛費に充てる付加税を新設する。

 

 東日本大震災からの復興を目指し、現在、所得税に追加されている「復興特別所得税」の税率を2.1%から1%引き下げ、当面の所得税負担は据え置くが、2037年末までとしていた課税期間を「復興財源を確保するために必要な長さ」に延長。所得税全体では実質的な増税となる。

 

 岸田首相は12月16日、官邸で記者会見をおこなった際、記者から「事実上の所得増税ではないか」と質問され、こう答えた。

 

「これについては(経済政策として2037年までの)15年先まで経済成長と賃上げの好循環を実現し、持続可能性をしっかりと回復しなければいけない。経済全体の中で負担感を払拭できるよう、政府として努力をしていく」

 

 要は、賃上げに向けて努力するから、負担感はなくなるはずだ、と話したのだ。これにはSNSで《まず賃上げを実現してから増税すべき》との批判が多く上がった。

 

 岸田首相は12月6日、「成長と分配の好循環は来年春の春闘の成果にかかっている」と述べ、物価高騰に見合った賃上げ実現に期待を示した。つまるところ、賃上げを企業の労使交渉に丸投げしたわけだ。

 

 賃上げだけでなく、法人税増税にも理解を求めるというダブル要求。批判が出るのも当然だろう。

( SmartFLASH )

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