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「福岡母子殺害事件」逮捕された巡査部長の手口は「素人同然」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.07.03 11:00 最終更新日:2017.07.03 11:00

「福岡母子殺害事件」逮捕された巡査部長の手口は「素人同然」

『殺された家族と防災訓練に参加していた』

 

「福岡県警の内部は怒り心頭です。今年5月、1年もかけて逮捕にこぎつけた金塊強奪事件を解決したばかり。県警はよくやったとの声が上がっていたのに、全部吹き飛んでしまった」

 

 そう話すのはある警察関係者だ。福岡県小郡市で中田由紀子さん(38)、長男・涼介さん(9)、長女・実優さん(6)の3人が絞殺された事件。由紀子さん殺害容疑で逮捕されたのは、現職の福岡県警巡査部長で夫の中田充容疑者(38)だった。

 

「県警の歴史が始まって以来最悪の不祥事」(捜査幹部)が恥ずかしいのか、身柄を送検した際、中田容疑者を乗せた後部座席は四方をカーテンで閉めきり、姿をひた隠しにした。

 

「仕事ぶりは普通。借金などがあったとも聞いていない」(県警幹部)という中田容疑者は、福岡市出身。地元の公立中学を卒業後、県立の進学校で理数系の特進クラスに学んだ。当時の同級生はこう話す。

 

「そういうやつがいたな、というぐらい。真面目で目立たない生徒だった」

 

 福岡県警に採用されたのは2002年。交番勤務や自動車警らなどの地域部門に計8年7カ月勤務、機動隊や空港警備も務め、2016年8月から110番通報を処理する通信指令課に勤務していた。

 

 警察ジャーナリストの小川泰平氏は、県警が微妙な変化に気付いていたのではないかと見る。

 

「本人は無理心中に見せかけようとしたが、首を絞めて練炭を燃やすなど素人の手口で、聞いたことがない。現場を知っているようで何も知らなかったということ。中田容疑者は、地域課を経て通信指令課に移った。通常はあまりない異動だけに、何かあったのかもしれない。警察内部で、微妙な変化を察知したなら、相談に乗ることができなかったのか」

 

 中田容疑者が以前住んでいた自宅近所にある空手道場の場長はこう話す。

 

「1年生になったばかりの涼介くんと幼稚園の実優ちゃんを連れて道場に来た。涼介くんがおとなしいので、もっと精神的に強くなるように空手を習わせたいと言う。子煩悩な父親でした」

 

 しかし、この空手教室はわずか2カ月でやめてしまっていた。その際は連絡すらなかったという。

 

 また、町会やPTA活動には夫婦で参加していたというが、最近では家庭のことは妻主導になっていた。自宅近所で習字教室を開く女性は、事件の2日前にこんな相談を受けた。

 

「涼介くんはうちに通っていますが、奥さんが『新しい習い事を検討しているので、習字に通う曜日を変えたい』と相談してきた」

 

 一家は2015年に現在住む住宅を購入。仲介した不動産業者はこう話す。

 

「住宅の購入までのやり取りは、奥さんが主導でした。ご主人はほとんどしゃべらず、おとなしい印象しかない」

 

 一方で、地元では中田容疑者は酒が好きでよく飲みに行っていたとの情報もあった。教育熱心な妻との間に些細な行き違いが積み重なっていったのか。

 

 福岡地方検察庁は、6月29日、中田容疑者を起訴している。

 

(週刊FLASH 2017年6月27日号)

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