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中国への返還20年「習近平」も一目置く「香港」の実力社会・政治 投稿日:2017.07.07 11:00

中国への返還20年「習近平」も一目置く「香港」の実力

写真:AFLO


 7月1日、香港では中国への返還20周年を記念する式典が華々しく催された。

 

 習近平国家主席は新たに選出された香港の行政長官の就任式にも出席。「一国二制度」の意義と成功を強調しつつ、「統治権はあくまで中国が持つ」と繰り返した。曰く「中央の権力や香港基本法の権威に対するいかなる挑戦も絶対に許さない」。

 

 しかも、中国政府は中国初の空母「遼寧」が1週間後には香港に寄港すると発表。必要があれば、いつでも軍事力を行使するとの威嚇に他ならず、中国の最高権力者として有無を言わせぬ強硬姿勢を見せつけた。

 

 そのせいか、香港の新行政長官は公用語の広東語ではなく、北京語で宣誓式に臨む有様だった。

 

 香港の経済は返還後20年間で予想以上に発展している。1997年に1770億ドルだったGDPは今や3210億ドルと倍増。外貨保有高は930億ドルから3900億ドルへ。実に4倍以上に膨らんでいる。

 

 一方、狭い土地柄ゆえ、不動産価格の急騰は悩みの種。何しろ、ニューヨークに次いで不動産の価格が高いのが香港である。その背景にあるのは中国本土からの投資や企業進出である。

 

 20年前には香港に進出していた中国企業はたった6社。それが現在は1000社を優に超えている。1997年の段階では人民元による決済は皆無だったが、今や4.5兆人民元まで拡大中である。

 

 また、日本を訪れる爆買い中国人は年間600万人だが、香港にやって来る本土の中国人は4300万人を超える。この20年間で17倍に増えた計算だ。

 

 驚くべきは、海外からの直接投資額が、香港はアメリカに次いで世界第2位の座を占めていること。WTOの創立メンバーでもある香港は9780億ドルの貿易額を誇る、まさに「世界最大の貿易都市」なのだ。

 

 習近平主席が提唱している「一帯一路」と銘打ったアジアとヨーロッパを結ぶ「現代版シルクロード」経済圏構想についても、香港は当初から積極的な対応を見せ、真っ先に参加表明した。

 

 香港の公共交通を司るMTR公社は中国の鉄道公社と提携し、シンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道の建設事業に参入を図ろうとしているほど。

 

 中国の高速鉄道は日本の新幹線技術から学び、今では本家を抜く勢いで進化を遂げつつある。インドネシアでは頓挫しているが、香港との連合体を通じて、更なる販路拡大を目指し、アジアとヨーロッパを結ぶ高速鉄道網や世界最長55キロの橋梁(港珠澳大橋)建設に力を注いでいる。

 

 要は、香港は今では中国のインフラ輸出プロジェクトに不可欠ともいえる役割を演じており、中国とアジアをつなぐ連結金具の役目を果たしていると言っても過言ではない。

 

 そのため、強面の習近平主席といえども、香港の人材や金融力を潰すような押さえつけはできないはず。「中国への挑戦を許さない」と豪語するものの、水面下では香港との連携を模索せざるを得ないのが今の中国なのである。
(国際政治経済学者・浜田和幸)

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