「コミュニケーション力が高く、冗談も通じるいいヤツでした。分け隔てなくクラスメイトと接し、周囲からの好感度は抜群でした」
そう語るのは、岸田翔太郎首相秘書官(32)の慶應義塾大学時代の同級生だ。
岸田文雄首相の長男である翔太郎氏は、慶大卒業後に三井物産に入社。「“キッシー”と呼ばれ、誰からも好かれていた」(現役社員)という。
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1月に英国で公用車を使って閣僚への土産を購入し、総スカンを食っている現在とは大違いだ。慶大の卒業アルバムに写った爽やかな笑顔が消えたのは、三井物産を退職し、父の公設秘書に転じた2020年3月以降のことだ。
岸田首相に陳情した経験のある、広島県内の会社経営者がこう明かした。
「当時の翔太郎さんは事務所詰めの秘書でしたが、ほかのスタッフに促されて、ようやく挨拶に顔を出す感じでした。無口で、あまり社交的とはいえない印象を受けました」
あるベテラン記者の印象もこの経営者に近いが、翔太郎氏の仕事への評価は高い。
「翔太郎氏は淡々と各社の取材日程を調整したり、対外的な日程編成を組んだり……というタイプです。総理が自民党総裁選に出たとき、彼が広報担当でよく話しましたが、各社の依頼をほぼストレスなしに捌く、普通に“有能な秘書”という印象でした。私は好感を持っています」
ベテラン記者も惚れ込む“ジジ殺し”ぶりだが、ある全国紙カメラマンはこう話す。
「“お土産騒動”のあと、翔太郎秘書官は官邸で記者団の前を通らないよう、脇のエレベーターに乗り込んでしまうんです。マスコミの前に出るのを避けているのでしょう」
ある自民党関係者が語る。
「地元を担当していた公設第一秘書が、議員会館に来ているようです。翔太郎氏は、就任から1年を迎える10月の節目で、この秘書と交代するのではと囁かれています」
昨年12月に報じられた民放の女性記者への情報リーク疑惑では、岸田首相は翔太郎氏を呼びつけ、「バカ息子」と強く叱責したという。
父親には決定的に欠けているコミュニケーション力を持つ“人たらし”の翔太郎氏だが、政権への逆風の前では、それを発揮することは難しそうだ。