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名古屋の師匠が見抜いた「藤井聡太四段」の弱点
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.07.13 06:00 最終更新日:2017.07.13 06:00
藤井聡太四段(14)が7月2日、公式戦30連勝がかかる竜王戦決勝トーナメント2回戦で、初めて負けた。無敵の中学生棋士を降したのは、佐々木勇気五段(22)。彼の師匠・石田和雄九段が語る。
「2人は、2016年5月の岡崎将棋まつりで初めて戦った。局面が二転三転するいい将棋で、終盤に逆転した勇気くんが勝った。藤井くんは悔しそうでしたね」
藤井四段が中1で三段になるまで、史上最年少記録(中2で昇段)を持っていた佐々木五段。まさに、因縁の対決だったわけだ。藤井四段が雪辱を果たせなかった理由は、佐々木五段に「弱点」を突かれたからだった。
「ふだんから藤井四段は、主流の定跡を将棋ソフトで研究しています。佐々木五段はそこを突いた。とくに、11手めの『6八玉』は、これまで公式戦で差されなかった手。藤井四段が研究していないであろう手を打ち、序盤で有利な形に誘導していったのです」(将棋観戦記者・椎名龍一氏)
このほかにも、藤井四段は年相応の弱さを孕んでいる。小4まで通った「名古屋の師匠」、ふみもと子供将棋教室の文本力雄さんはこう話す。
「小さなころから、聡太は体を動かすのが大好き。3時間ほどじっとして将棋を指したあと、体が自然に動くのか、 よくプロレスごっこをやっていました」
そのころの癖の名残りか、藤井四段は、対局中に体をよく動かす。終盤に差しかかると体を揺する。悪手を打ったとわかると手で足を叩いたり、唇を嚙むのだ。小声で「しまった」と口にすることもあるという。感情が動作に出るようでは、相手につけ入られる隙を与えてしまう。
だが、それだけで藤井四段に勝てるわけではない。殺到する報道陣には、多くの棋士が動揺させられてきた。
「佐々木五段は、事前に藤井四段の対局に足を運び間近で見ていました。『自分がこの場に座る』ことを想定し、対局場の雰囲気にのまれないように備えていたからです」(椎名氏)
7月6日、藤井四段は、連勝ストップ直後の対局に勝利。「前の対局で負けたので、以前より勝敗にこだわるようになった」と決意を新たにした。
(週刊FLASH 2017年7月25日号)