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殺害された元アイドルに「リク撮」トラブルの可能性の報道 モデル経験者が体験した「監禁寸前」の恐怖

社会・政治 投稿日:2023.02.13 12:56FLASH編集部

殺害された元アイドルに「リク撮」トラブルの可能性の報道 モデル経験者が体験した「監禁寸前」の恐怖

女性の遺体が発見された府中市内のホテル(写真・時事通信)

 

 2月3日、東京都府中市内のホテルで、元アイドルの女性がメッタ刺しにされ、殺害されているのが見つかった事件。警視庁府中署は、同市に住む職業不詳の石川晃容疑者(54)を殺人の疑いで逮捕した。

 

「石川容疑者は女性と面識があったと供述しており、数カ月前には女性から被害を受けたと警察に相談していたこともあります。また、女性が個別撮影(個撮)モデルをしていたという話もあり、その撮影の中でなんらかのトラブルがあったのでは、とも報じられています」(社会部記者)

 

 

「個撮」とは、カメラマンとモデルが1対1でおこなう撮影のことだ。

 

「個撮モデルは、基本は1日に4部制や5部制で、参加者が撮影時間の枠を買う仕組みです。時間ごとに参加者が入れ替わるし、撮影にはレンタルルームを使うことが多く、誰かとホテルに行くような状況にはまずなりません。

 

 ただ、私たちの業界で『リク撮(リクエスト撮影)』と呼んでいる、個人相手の撮影もあります。もし今回の事件が撮影絡みだったのであれば、リク撮だったんじゃないかなと思います」

 

 そう語るのは、自身も過去に個撮モデルの経験のある、元アイドルのA子さん(28)。個撮とリク撮の場合は、告知や撮影者とのやり取りが大きく異なるという。

 

「告知は基本的にTwitterでする子が多いんですけど、個撮の場合は『この日、この場所で何時から、参加費は○円で』という感じ。みんなに情報も行き渡るから、参加者も変なことはしにくいんです。

 

 それに対して、リク撮は『今月は、○日と○日と○日が空いているので、リク撮オッケーです。1時間○円です』みたいな感じの告知で、その先は撮影希望者とDMでやり取りします。2人がいつ、何時に、どこで会っているかは、誰もわからない。その意味では、危険度がぜんぜん変わるんです。

 

 とはいえ、相手の素性がわからない新規のリク撮を受ける子はいないと思います。リク撮を受けるとしたら、相手がどんな人かわかっていて『常連さん』であることが大前提ですね」

 

 A子さん自身も、数年前にリク撮で身の危険を感じる体験をしたという。

 

「私にガチ恋しているファンがいたんです。ふだんは優しくて、誰に対しても社交的な人でした。私の出るイベントには、1年近く毎回、参加してくれて、信頼関係も築けていました。その人から、ある日『ふたりきりで撮らせてほしい』って言われて。かなり迷ったんですけど、常連さんだし、待ち合わせ先がショッピングモールだったので、リク撮に応じたんです」

 

 待ち合わせ先に現れたファンの男性は、スーツ姿で花束を抱えていた。「どうしたの?」と尋ねると、突如、ひざまずいて「結婚してください!」と切り出してきたのだという。

 

「私がはぐらかしていたら、今度は『とりあえず車に乗ってほしい』と言い出して……。『それはできない』と断ると『もうすぐ誕生日のあなたのために、100万円を用意している。そのプレゼントを渡したいから、どうしても来てほしい』と。行けない、来てほしい、という不毛なやり取りを2時間くらい続けて、最後は私が根負けする形で『行ったらすぐ帰る』ことを条件に車に乗ってしまいました」

 

 着いた先は、2階建ての一軒家だった。

 

「ハウス型のレンタルスタジオなのか、その人の家なのかはわかりません。ドアを開けて部屋に入ると、キャンドルの灯りだけの薄暗い部屋に、紫の薔薇が壁から天井まで、びっちり敷き詰められていて。思わず『ヒーッ』って声が出ました。テーブルの上には、私の生まれ年のワインが置いてあったんですけど、もうすべてが不気味で、怖くて……。『見ました、帰りまーす』と言って帰ろうとすると、いきなり鍵をかけられて、携帯電話を取り上げられたんです」

 

 携帯電話を返してもらおうとすると、男性は逆ギレし、A子さんの手をバン! と強く叩いてきた。男性の豹変ぶりに、A子さんは戸惑った。

 

「そこから『つき合うか、つき合わないか』みたいな話をしてきて、それはできないと断ると『じゃあ、僕が死ぬしかないよね』と、包丁を持ち出してきたんです。私が『帰る』と言っても一向に帰してくれず、自分の髪の毛をブチッとむしって『俺はこんなに、こんなに、こんなに、こんなに愛してきたのにー!』と言ったかと思えば、次の瞬間にはニコニコして、私の頭を撫でながら『さあ、写真撮ろうか。服脱いでいいよー』とか言い出すんです。そんなことがずっと続いて、時間も夜8時とかになっていて……。私も疲れてウトウトしきて、ヤバい、このまま監禁され続けるのか、と思いました」

 

 A子さんは、2階のベランダから逃げることを画策。男性に「つき合うことを考えたいから、少し頭を冷やしたい」と伝えて、ベランダに出た。季節は秋。外は雨も降り出していた。

 

 しかも、ベランダから1階の地面まではけっこうな高さがあり、A子さんは飛び降りる決心がつかなかった。ベランダから泣きながら『ホントにお願い、ホントに帰してください!』と懇願したが、男性からは『無理。ひとつになるか、俺が死ぬの見るか、どっちかしかないよー』との非情な言葉が返ってきた。

 

「それを言われた瞬間、私の中で何かがキレて、ベランダから衝動的に、自転車置き場の屋根の部分にダイブしていました。それに気づいた男性が追ってきましたが、裸足で全速力で走り続けて、草むらみたいなところに逃げ込んだんです。そこで1時間くらい身を潜めてから、さらに走り続けた先にあった飲食店に『助けてください! ストーカーみたいな人に追われてるんです!』と駆け込みました。

 

 店員さんは、傷だらけの私を見て事情を悟ってくれたのか、かくまってくれました。気が動転していたので、その後のことはあまり覚えてないんですけど、気がついたら病院のベッドの上でした」

 

 もちろん、今回の被害女性と容疑者がホテルに入った理由は、今後の捜査を待たなければならない。しかし、密室で1対1での関係が、危険を伴うことであることは、つねに意識していなければならない。

( SmartFLASH )

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