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「子育て罰」スルーする自民・世耕氏に批判集まる「勉強不足すぎて呆れる」「だから少子化なんだよ!」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.02.22 15:18 最終更新日:2023.02.22 15:21
2月21日、自民党の世耕弘成参院幹事長は、記者会見で、政府が検討している「児童手当の所得制限撤廃」に関して、見直しを示唆した。
2月4・5両日にJNNが実施した世論調査で、「児童手当の所得制限」について、「継続すべき」が56%で、「廃止すべき」の33%を上回った。FNNが2月18・19両日におこなった世論調査でも、「撤廃しなくてよい」が56.9%で、「撤廃すべき」の37.5%を上回っている。
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これらの世論調査の結果について、世耕氏は「意外だった」と述べ、「私はどちらかというと所得制限撤廃に賛成の立場だった」としたうえで、「高級マンションに住んで高級車を乗り回している人にまで支援をするのか、というのが世論調査で出てきているのだろう」と指摘した。
そして、「適宜うまく政策を修正しながら、対応していけばいいのではないか」と所得制限撤廃の見直しを示唆した。
児童手当は、中学卒業まで、子供1人あたり月に1万〜1万5000円が給付される。ただし所得制限があり、子供2人の家庭では、夫婦どちらかの年収が目安として960万円以上だと、月5000円の「特例給付」となり、年収1200万円以上は支給の対象外となる。
この所得制限をめぐっては、1月25日の衆院本会議で、自民党の茂木敏充幹事長が「すべての子供の育ちを支えるという観点から、撤廃すべきだ」と主張。岸田文雄政権の少子化対策の大きな課題となっていた。
だが、所得制限撤廃は高所得者優遇になると指摘する政治家もいる。世耕氏と同じく、自民党安倍派(清和会)の西村康稔経済産業相は2月1日、自身のTwitterにこう書きこんでいる。
《年収1200万円以上の給与所得者は全体の5%に満たない割合で、高額所得者です。児童手当てについては、拡充を行うならば、所得制限を撤廃して1200万円以上の富裕層に支給を行うよりも、所得の低い方に対して上乗せするなどより手厚い支援を行っていくことを優先すべきというのが私の考え方です》
西村氏が指摘するように、全体の5%に満たない割合のため、世論調査では、所得制限を「撤廃すべき」という声が大きくはならない。だが、SNSでは、「年少扶養控除がないことをわかってほしい」という声があがっている。
「旧民主党政権が、所得制限なしの『子ども手当』を始めたことで、年少扶養親族(〜15歳)に対する扶養控除(38万円)が廃止されました。
その後、自民党が『子ども手当』をバラマキと批判したことで、2012年6月ぶんからは所得制限が導入され、年収960万円以上の世帯には月5000円の支給だけとなり、事実上の負担増となりました。
さらに、2022年10月から、夫婦どちらかの年収が1200万円以上だと給付はゼロになり、さらなる負担増に。年少扶養控除もなく、児童手当も支給されない。子供を産めば産むほど負担が増える、『子育て罰』となっているのです」(政治担当記者)
「子育て罰」となっている現状を知らず、世耕氏が「高級マンションに住んで高級車を乗り回している人にまで支援をするのか」と述べたことには、反発する声が上がっている。
仮想通貨取引所ビットフライヤー創業者の加納裕三氏は、2月21日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《年収1200万円で、高級マンションに住んで高級車を乗り回すことはできません。現場からは以上です》
SNSでは、ほかにも世耕氏の発言を批判する声が多くあがっている。
《高級マンションに住み高級車に乗ってるのはあなたたち国会議員であり、所得制限世帯の多くはユニクロを穴が開くまで来ています 勉強不足すぎて呆れる》
《自民党最低。世耕幹事長最低。所得制限世帯が贅沢してると思うなら、同じ所得で子育てしてみればいい。実情を知らずに印象操作。だから少子化なんだよ!》
《高級車を乗り回すって。。。世耕議員のあまりに下品な物言いにゲンナリ 年収960万円 手取り710万円 所得制限で子育て支援なしで、子供を育てるのはどういう暮らしになるのか。きちんと把握してほしい!!》
《世耕さんの実家は近畿大学の創立一族で超セレブ。給料で生活している人間の生活が理解できるわけがない》
茂木幹事長が、児童手当の所得制限撤廃を掲げたことには期待の声があがっていた。それが覆されるようなら、さらなる反発が起きることは避けられないだろう。
( SmartFLASH )