社会・政治
【地方議員の給与明細】五島市議「手取り10万円台だから副業も」…鹿児島県議は月78万円でも「生活は苦しい!」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.03.08 06:00 最終更新日:2023.03.09 10:29
4月の統一地方選を前に、全国で議員の「なり手不足」が叫ばれている。激務と報酬の低さが原因だという。地方議員に実際の給与明細を見せてもらうと――。
長崎県五島市議の中西大輔氏(33)は、千葉県船橋市出身。立教大学卒業後、野村総合研究所に入社。旅行で訪れた五島の美しさに惹かれて退社し、移住して事業を始めた。2021年より五島市議を務める。
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「月額報酬は32.5万円です。振込金額は24万9100円ですが、ここからさらに国民年金、国保税、住民税などを支払えば、手取りが10万円台になることもあります。五島市では、副業をしている市議が多いのではないでしょうか」
山口県防府市議の牛見航氏(41)の月額報酬は41.3万円。地元出身で、都内の飲食ベンチャーに勤めた経験を生かし、市内飲食店で人気の「ほうふハイボール」を開発した。
「防府市の議員報酬は、真面目に活動する若手議員にとっては “安い” と思います。4年に一度の選挙費用も報酬から貯めておかねばなりませんし、報酬とは別の政務活動費も十分ではなく、研修や勉強会などに行く際の交通費や宿泊代が不足しています。大都市に比べて、地方の市町村議会の報酬が低すぎることが、議員のなり手が少ない原因のひとつだと思います」
鹿児島県議の岩重仁子氏(49)は、月額報酬78万円。鹿児島市出身で、米大学で国際政治を学び、青年海外協力隊員、JICAボランティア調整員などを経て現職。
「私は小学生の子供を持つシングルマザーで、寄付金や政治献金をまったく受け取らず、副業もしておりません。事務所経費や人件費を按分した額や、各種会合の会費や懇親会費などは政務活動費ではなく議員報酬から支出しているため、生活費としてはわずかしか残りません。
実家で母と同居しておりますが、その支援がなければ、生活は厳しくなるでしょう。子育て世代の方々に議員になってもらいたいとは思っていますが、現状では無責任にすすめることはできません」
仕事はカネじゃない、やりがいだ、とはいうけれど――。