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中国リニアが初の「浮上運行」成功、日本は「2027年開業」困難で「日本人の夢をドブに捨てる気か」SNSで集まる危惧の声
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.04 16:00 最終更新日:2023.04.04 16:00
中国の鉄道車両大手、中国中車傘下の中車長春軌道客車は、高温超電導リニアの全要素試験システムの、初の浮上運行に成功したと発表した。4月4日、中国国営の新華社通信が報じた。今回の成功により、超電導リニア交通システムの事業化のための基礎が築かれたという。
今回の運行では、超電導リニアシステムのコア技術が十分に検証された。将来的には時速600kmに達する見込みとも報じられている。
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中国リニアが初の浮上運行に成功したことで、日本のSNSでは、先を越されることを危惧する声が上がっている。
《かなりのスピードで開発が進んでいる様子。日本のリニア中央新幹線はこれより早く開業できるだろうか?》
《日本がリニア新幹線の建築に手こずっている間に、着々と中国のキャッチアップが進んでいる》
《あー、これでリニアも中国に先を越させるんかな?》
《国交省さん、静岡県さん、JRの60年以上に亘る苦労と日本人の夢をどぶに捨てる気ですか?》
日本のリニア中央新幹線は、最高時速500kmで、東京と名古屋間を最速40分で結ぶ。名古屋までの区間は2027年開業予定とされている。
だが、静岡県の川勝平太知事が リニア南アルプストンネル静岡工区での着工許可を認めないため、工事は大幅に遅れている。
「取水抑制案が工事の前提であるかの如くにとらえられているのは、違います。有識者会議における議論、47項目すべての解決を流域住民が了解するまでは、工事うんぬん、ということはまだ言えないと、私は思っています」
3月28日の定例記者会見で、川勝知事はこう述べ、議論が進みつつある「田代ダム案」にクギを刺した。
「田代ダム案」とは、リニア新幹線のトンネル工事における、水の県外流出対策。大井川上流にある田代ダムからは、山梨県側に大量の水が送られ、東京電力の発電に使われている。静岡県が主張する「水の全量戻し」に対応するため、送られる水の量を抑制するもので、JR東海が提案している。
3月27日には、大井川流域の市町の首長らが会合に出席。JR東海から「田代ダム案」の説明を受けた。この会合では、出席した市町が、JR東海と東京電力が本格的な協議に入ることを大筋で合意。島田市の染谷絹代市長は会合後、「田代ダムの取水抑制案についてはほぼ全員が了解をした。『少し待った』というのは県だけだった」と、取材に応じている。
4月3日、山梨県の長崎幸太郎知事は定例記者会見で、リニア中央新幹線の2027年の開業予定について「極めて困難と言わざるを得ない」との見解を示した。
静岡県が静岡工区の着工に反対していることについて、「静岡の皆さんに、リニアの十分なイメージを持っていただける材料が届いていないのではないか」と言及。そのうえで「膠着状態から移れるよう、貢献する」と話し、沿線自治体でつくるリニア中央新幹線建設促進期成同盟会で、山梨県として、全線開通に向けた取り組みの促進のため、働きかけていくとした。
日本と中国との地形の違いや、中国のリニアがあくまで実験路線であることから、日本と中国のリニアを単純に比較できない、という声もある。だが、このまま静岡県が工事反対を続けたら……。リニア高速鉄道で「世界初」の開業を果たすのは、日本か、中国か。
( SmartFLASH )